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TDF2020が無事終了しました。Adam Yates選手は総合９位に。

Photo BY  Getty Images　Mitchelton-SCOTT Twitter　
 
 
8/29 にTour de France がフランスのリゾート地、Nice でスタートし、通常の7月開催から遅れ、9/20 までの3週間で争われ、無事終了しました。
 
COVID-19 の影響下での世界的大会の開催、チーム内感染者が1週間で2名以上出たチームは大会から除外という特別ルールで開催されたレースでしたが、全チーム走り切ることが出来ました。
 
今年は春のレーススケジュールがすべてキャンセルされ、国により対応が異なる為、選手の練習環境の差、コンディションの差が感じられ、さらにはレース感の不足からなのか、例年以上に落車の目立つ大会でした。
Mitchelton-SCOTT チームでも第10ステージでSam Bewley 選手が落車しリタイア、Mikel Nieve 選手が第17ステージでリタイアし、6人体制でのゴールになりました。
 
Mitchelton-SCOTT チームは総合のエースにAdam Yates 選手を据えてこの大会に参戦。
第5ステージのレース後、首位の Julian Alaphilippe 選手に20秒のペナルティ（補給禁止区間でボトルを受け取った為）があり、繰り上げで8秒差の2位につけていた Adam Yates 選手がイエロージャージを手に入れました。
思いがけず手に入れたイエロージャージ。Mitchelton-SCOTT チームとAdam Yates 選手はこれを必死に第8ステージまで守り抜きました。
第9ステージで遅れ、総合8位まで順位を下げ、最終的には9分25秒遅れの総合9位でレースを終えました。
 
 
Tour de France – FINAL General Classification:
1. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) 87:20:05
2. Primoz Roglic (Team Jumbo-Visma) +0:59
3. Richie Porte (Trek Segafredo) +3:30
9. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +9:25
 
 
9/15 2回目の休息日明けの第15ステージは上って下って164km、3級登りゴールの山岳ステージでした。
休息日までに行われたPCR検査の結果、全選手の陰性が確認され、レースは続行に。
大会責任者のChristian Prudhomme さんもレースに復帰しました。
 
44km地点のスプリントポイントを目安にレースが活性化。スプリントポイント争いのスプリンター達、逃げ切り狙いのアタッカーたちがまとまった集団は最大23名に。Mitchelton-SCOTT チームからは Chris Juul-Jensen 選手と Mikel Nieve 選手が加わりました。
 
この集団から Richard Carapaz（INEOS Grenadiers）がアタックを仕掛け、最終的にステージに勝利した Lennard Kamna（BORA-hansgrohe）が独走態勢になった為、2人は逃げ集団から外れ、メイン集団に戻り、体力を温存する選択を取りました。
 
 
Tour de France – Stage 16 Results:
1. Lennard Kamna (BORA-hansgrohe) 4:12:52
2. Richard Carapaz (INEOS Grenadiers) +1:27
3. Sebastien Reichenbach (Gorupama-FDJ) +1:56
26. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +16:48 
 
Tour de France – General Classification after stage 16:
1. Primoz Roglic (Team Jumbo-Visma) 70:06:47
2. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) +0:40
3. Rigoberto Uran (EF Pro Cycling) +1:34
5. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +2:03
Photo courtesy of Getty Images.　Mitchelton-SCOTT HP
 
BREAKING AWAY | 2020 TOUR DE FRANCE - STAGE 16
 
 
 
 
 
 
 
 
9/16 第17ステージは超級山岳2つ、2つ目の頂上ゴールという設定のクイーンステージ、170kmでした。
過酷なコース設定に各チームのクライマー、アタッカーが挑み、Mitchelton-SCOTT チームからも Chris Juul-Jensen選手、Jack Bauer 選手、さらには Esteban Chaves 選手も動きを見せましたが、決定的な逃げには結び付きませんでした。
 
ひとつ目の超級山岳を越えても有力な4名が逃げ続けていましたが、最後の上りで全て吸収され、総合上位勢の争いになります。
Miguel Angel Lopez 選手(Astana Pro Team) がタイム差をつけて勝利し、総合順位をジャンプアップ。 Adam Yates 選手は、Rigoberto Uran 選手(EF Pro Cycling) をかわしたものの、Richie Porte 選手(Trek Segafredo) にかわされ、総合順位は変わらず5位となりました。
 
前日逃げに乗った Mikel Nieve 選手がこの日途中リタイアし、Mitchelton-SCOTT チームは6人体制になりました。
 
 
 
Tour de France – Stage 17 Results:
1. Miguel Angel Lopez (Astana Pro Team) 4:49:08
2. Primoz Roglic (Team Jumbo – Visma) +0:15
3. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) +0:30
8. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +1:20
 
Tour de France – General Classification after Stage 17:
1. Primoz Roglic (Team Jumbo-Visma) 74:56:04
2. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) +0:57
3. Miguel Angel Lopez (Astana Pro Team) +1:26
5. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +3:14
Photo courtesy of Getty Images and A.S.O./Pauline Ballet.　Mitchelton-SCOTT HP
 
BRUTAL SLOPES | 2020 TOUR DE FRANCE - STAGE 17
 
 
 
 
 
 
 
 
9/17 第18ステージは2つの1級山岳、3級と2級の山岳を上って下り、ボーナスタイム付き超級山岳と続く175km。途中には未舗装路区間1.8kmも含む、今大会最後の山岳ステージでした。
 
 ディフェンディングチャンピオンのEgan Bernal 選手がリタイアした INEOS Grenadiers チームはアシストとして参加していた選手達のステージ優勝狙いに切り替え、Michal Kwiatowski 選手と Richard Carapaz 選手の2人を逃げ集団に送り込みます。ペースを維持した逃げ集団から次々に選手が脱落する中、2人で逃げ続け、完全に協調できる同チームの有力選手同士の逃げは強力で、大きな差をつけてゴールまで逃げ切りました。
 
Adam Yates 選手は総合上位勢からは遅れ、他の有力勢と共にトップから4分34秒遅れの17位でゴールし、総合順位は7位になりました。
 
 
Tour de France – Stage 18 Results:
1. Michal Kwiatowski (INEOS Grenadiers) 4:47:33
2. Richard Carapaz (INEOS Grenadiers) ST
3. Wout Van Aert (Team Jumbo – Visma) +1:51
17. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +4:34
 
Tour de France – General Classification after Stage 18:
1. Primoz Roglic (Team Jumbo-Visma) 79:45:30
2. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) +0:57
3. Miguel Angel Lopez (Astana Pro Team) +1:27
7. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +5:55
Photo courtesy of Getty Images and A.S.O./Pauline Ballet.　Mitchelton-SCOTT HP
 
GRAVEL SPECIAL | 2020 TOUR DE FRANCE - STAGE 18
 
 
 
 
 
 
 
 
9/18 翌日に最終決戦である個人タイムトライアルを控えた第19ステージは丘陵地帯の166.5km。
残り36kmの地点で序盤の逃げは全て吸収され、総合上位選手は翌日に備えて足を温存。
BORA-hansgrohe チームの Peter Sagan 選手が残り30kmでアタックすると、スプリント賞を争う Sam Bennett 選手(Deceuninck – Quickstep)が反応し、そこにステージ優勝狙いの選手が合流して12名の逃げグループが形成されます。
この逃げグループにはMitchelton-SCOTT チームからは Jack Bauer 選手と Luka Mezgec 選手が加わりました。
 
メイン集団はLotto Soudal チームが Pocket rocket ことCaleb Ewan 選手をゴールスプリントに参加させるために牽引しますが、ペースを上げると Ewan 選手自身が遅れてしまう為に上げきれず、総合成績で問題になる選手が逃げグループに居ない為、他のチームは牽引しない状態。
 
逃げグループではSam Bennett 選手（Deceuninck – Quickstep）、Peter Sagan 選手（BORA-hansgrohe）、Matteo Trentin 選手（CCC Team）のグリーンジャージ争い、ステージ優勝争いからくる、アタックと膠着が続き、その隙に Soren Kragh Andersen 選手 （Team Sunweb）が絶妙なタイミングでアタックし、残り16kmを単独で逃げ切り、この大会2勝目を挙げました。
逃げグループの残りメンバーによる2位争いのゴールスプリントでは Luka Mezgec 選手が勝ち、第14ステージに続く、2回目のステージ2位に入賞しました。
 
ゴール後のインタビューでLuka Mezgec 選手は以下のように語っています。
 
「私は勝ちたいです。誰もがTDFのステージで勝ちたいと思っています。私は同じ選手（Soren Kragh Andersen 選手）の後ろに2回、同じような状態で遅れてゴールしました。彼はこのTDFの良い流れを得ています」
「このツールでのパフォーマンスには満足していますが、あの状況ではギャンブルでした。もし（Soren Kragh Andersen 選手を）1人でも追っていたら、その後の展開は全く違ったはずだ。でもそうならなかった。
自転車ロードレースでは成功するときもあれば成功しないときもある。上手くいかないことの方が多いものです」
「私はシャンゼリゼに会えるのを本当に楽しみにしています。テレビで何度も見ていましたが、明日の個人タイムトライアルが終わったら、ついにそこに向かうことができます」
 
 
Tour de France – Stage 19 Results:
1. Soren Kragh Andersen (Team Sunweb) 3:36:33
2. Luka Mezgec (Mitchelton-SCOTT) +0:53
3. Jasper Stuyven (Trek-Segafredo) +0:53
 
Tour de France – General Classification after Stage 19:
1. Primoz Roglic (Team Jumbo – Visma) 83:29:41
2. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) +0:57
3. Miguel Angel Lopez (Astana Pro Team) +1:27
7. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +5:55
 
Photo courtesy of Getty Images and A.S.O./Pauline Ballet.　Mitchelton-SCOTT HP
 
DÉJÀ VU | 2020 TOUR DE FRANCE - STAGE 19
 
 
 
 
 
 
 
9/19 第20ステージは最後が登りの36.2km、個人タイムトライアルでした。
翌日のパリ、シャンゼリゼステージは、総合争いはしないのが慣例。この日が最終決戦です。
前半から基本的には平坦基調で、ラスト6kmのみが登りになるこのコース。多くの選手が登り初めでTTバイクからロードバイクに交換する作戦で臨みました。
 
レースは総合成績の下位からスタートし、前日まで約1分差の総合2位につけていた UAE Team Emirates の Tadej Pogacar 選手がラストから2番目に出走、信じられない走りでそれまでのタイムを更新し、ゴールしてみれば2位に1分21秒差をつけて優勝しました。
最後にスタートし、5位に入った Team Jumbo Visma の Primoz Roglic 選手とは1分56秒差となり、総合成績で逆転。Tadej Pogacar 選手が総合1位になりました。
Mitchelton-SCOTT チームの Adam Yates 選手は4分27秒遅れの23位でゴールし、総合9位となりました。Adam Yates 選手はゴール後のインタビューでは以下のように語りました。
 
「今日は最高のパフォーマンスではありませんでした。最初は平坦なセクションでかなりペースを整えましたが、上りに入るとペースを上げるのが非常に難しく、リズムを見つけることができずに終わりました」
「私は最善を尽くしました、この結果についてそれで満足しなければなりません。そして私たちはまだ明日 Mezza （ Luka Mezgec 選手）の走りでもう一つの大きなチャンスを持っています」
 
 
 
Tour de France – Stage 20 Results:
1. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) 55:55
2. Tom Dumoulin (Team Jumbo Visma) +1:21
3. Richie Porte (Trek – Segafredo) +1:21
23. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +4:27
 
Tour de France – General Classification after Stage 20:
1. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) 84:26:33
2. Primoz Roglic (Team Jumbo Visma) +0:59
3. Richie Porte (Trek Segafredo) +3:30
9. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +9:25
Photo courtesy of Getty Images and A.S.O./Pauline Ballet.　Mitchelton-SCOTT HP
 
 
 
DRAMATIC TT | 2020 TOUR DE FRANCE - STAGE 20
 
 
 
 
 
 
 
9/20 第21ステージ、最終日は恒例のパリ、シャンゼリゼゴールの平坦コース122km。
TDFでは最終日、シャンゼリゼゴールはステージ優勝をかけた勝負のみで、総合成績は争わないのが慣例です。
Adam Yates 選手は前日の第20ステージ、個人タイムトライアルで23位、総合9位にとどまりました。
この日は序盤はパレード走行で、チームを越え、出身国の選手同士が集まって走る姿が見られ、スロベニア出身のLuka Mezgec 選手は、イエロージャージの UAE Team Emirates、Tadej Pogacar 選手、同チームの JAN POLANC 選手、総合2位になった Team Jumbo-Visma、Primoz Roglic 選手、Bahrain-Mclaren チームの Matej Mohoric 選手と一緒に走る姿が見られました。
 
終盤、周回コースに入ると4名の逃げグループが形成されますが、差が見える周回コースなので順調に差を詰められ、ゴールスプリントに持ち込まれました。グリーンジャージの Deceuninck-Quickstep チーム、Sam Bennett 選手が勝利し、Luka Mezgec 選手は13位でした。
レース後のインタビューではそれぞれ以下のように語っています。
 
Luka Mezgec 選手
「素晴らしい経験でした。シャンゼリゼの石畳は予想よりもはるかに難しく、はるかに粗い表面だったので、私は最初の2周で、うわー、これは難しい。という感じでした」
「無観客だったので少し奇妙だった、私はスロベニアの旗をたくさん見たが、もし観客が入れて全てがいっぱいになったときにそれがどれほど素晴らしいか想像できない」
「最後のスプリントは、私はちょうど良いポジションいられなかった。実際にはあまり良い感じではなかったし、私は最後のコーナーで良いポジションに入るためにあまりにも多くを費やしました」
「少なくともステージの勝利を期待していましたし、ギリギリには行けました。今回の成績に私は本当に満足しています」
 
Adam Yates 選手
9位「全体を総括して私たちは満足できる成績だったと思います。スタート前に言ったように、我々は総合優勝を取るという野心を持ってここに来たことがなく、最終的には世界最大の自転車レースでトップ10に入りました」
「レース全体がチームとしてうまく走り、集中して集中し続けたので、ここでやったことを誇りに思えると思います」
 
Matt White 監督
「我々はハンティングステージを決めてここに来て、最初の週にそれを追いかけ、それがチームにイエロージャージをもたらしました。そのネガティブな面は、少なくとも Adam（Yates 選手）にとって、彼は総合成績とイエロージャージに関してのチームのエースだったので、彼とチームはそれを守る為、積極的に攻撃に行くことができませんでした」
「しかし、私たちはイエロージャージを4日間保持し、総合トップ10に入り、Mezza （Luka Mezgec 選手）と何度か勝利に近いポジション入りを果たしました。チームは毎日その計画にコミットしました」
「一般的に、特に Mezza にとって最初のTDFでポジティブな彼は、長年にわたってこのチームのサポートライダーであり、今年最大のレースでチャンスを得て、彼が持っている才能を示すために、2回フィニッシュしました」
 
 
Tour de France – Stage 21 Results:
1. Sam Bennett (Deceuninck-Quickstep) 2:53:32
2. Mads Pedersen (Trek-Segafredo) ST
3. Peter Sagan (BORA-hansgrohe) ST
13. Luka Mezgec (Mitchelton-SCOTT) ST 
 
Tour de France – FINAL General Classification:
1. Tadej Pogacar (UAE Team Emirates) 87:20:05
2. Primoz Roglic (Team Jumbo-Visma) +0:59
3. Richie Porte (Trek Segafredo) +3:30
9. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +9:25
 
Photo courtesy of Getty Images and A.S.O./Pauline Ballet.　Mitchelton-SCOTT HP
 
A DIFFERENT PARIS | 2020 TOUR DE FRANCE - STAGE 21
 
 
 
 
 
 
 
 
特別な状況下、通常ではない9月開催のTDFが終わりました。
各チームとも最後までレースが続けられることを願い、多くの関係者が努力した結果であると思います。
今後、フランスだけでなく、日本を含めた各国の COVID-19 が収まることを祈ります。
 
そんな大変な世相ではありますが、ようやく開催できたTDF 2020を無事終えることが出来、ぎゅっと詰まったスケジュールでレーススケジュールが進みます。 Mitchelton-SCOTT チームの活躍に期待しましょう。
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