本文へ移動

TDF2020 第9ステージ終了時点でAdam Yates選手、総合8位に。

 
 
8/29 にTour de France がフランスのリゾート地、Nice でスタートしました。通常の7月開催から遅れ、9/20 までの3週間で争われます。
 
Mitchelton-SCOTT チームは総合のエースにAdam Yates 選手を据えて奮闘中です。
第2ステージで終盤のアタックに反応した Adam Yates 選手がボーナスタイム8秒の設定された山頂を取り、そこから下ってゴールまで逃げ切り、ステージ3位に入ったことで、ステージ優勝して総合首位に立った Julian Alaphilippe 選手から4秒遅れの総合2位つけていました。
 
第5ステージのレース後にJulian Alaphilippe 選手に20秒のペナルティ(補給禁止区間でボトルを受け取った為)があり、繰り上げでAdam Yates 選手がイエロージャージを手に入れました。
思いがけず手に入れたイエロージャージ。Mitchelton-SCOTT チームとAdam Yates 選手はこれを必死に第8ステージまで守り抜きました。
 
 
9/3 第6ステージは後半に3級山岳2つ、ボーナスタイム付きの1級山岳1つを続けて上って登りゴールというタイム差が付きそうなステージ構成の191kmでした
スタートしてすぐにアタック合戦が始まり、8名の逃げが成立しました。
総合成績で危険性が出ない程度のタイム差までは Mitchelton-SCOTT チームも逃げを容認し、集団をコントロールしていました。
最初の3級山岳時点で逃げ集団とのタイム差は4分ほど。
その後は大きくは動かず、そのまま Astana Pro Team の Alexey Lutsenko 選手が優勝し、5位までを逃げ切った選手が取り、集団は約3分遅れてゴール到着しました。
Adam Yates 選手は2分53秒4秒遅れ10位でゴールし、イエロージャージをキープしました。レース後のインタビューには以下のように答えています。
 
「素晴らしかった。はじめのイエロージャージを着て、チームでとてもうまくコントロールできたと思う、強いエスケープグループだったし、そこに加わりたいと思っていた選手がたくさんいた。
登りの途中で、集団をコントロールするのはかなり難しかったですが、チームは良い仕事をしたと思いますし、結局ゴール近くになってもMikel (Nieve)とEsteban (Chaves)が残っていたので、全体として、良い一日でした」
「逃げ集団がタイム差を持ち、全てのボーナスタイムがすでに取られていた為、集団から攻撃に出ることで得るものはほとんどなかったと思います。また、最終登りはそれほど急ではなかったので、数秒を稼ぐ為に多くの体力を使ってしまいます。誰もエネルギーを維持し、今後のためにそれを保存するようにします。誇りをもってイエロージャージを着て走るし、ステージ優勝も狙いたいと思います」
 
 
Tour de France Stage 6 – Results:
1. Alexey Lutsenko (Astana Pro Team) 4:32:34
2. Jesus Herrada (Cofidis) +0:55
3. Greg Van Avermaet (CCC Team) +2:15
10. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +2:53
 
Tour de France – General Classification:
1. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) 27:03:57
2. Primoz Roglic (Team Jumbo-Visma) +0:03
3. Tadej Pogacar (UAE-Team Emirates) +0:07
Photo courtesy of Getty Images. Mitchelton-SCOTT HP
 
Photo courtesy of Getty Images. Mitchelton-SCOTT HP
 
 
 
 
 
 
 
9/4 第7ステージは後半フラットな平坦コースの168km
前半には3級山岳を2つ、4級山岳を1つが有りますが、それを超えてから下り、平坦がゴールまで続くコース設定。
当日は後半の平坦で強烈な追い風が吹くと予報があり、そこから逃げ切り有利との予測が立てられ、序盤から積極的なアタックがかかると予想されていました。スプリンターチームにとっては数少ない平坦ステージ、後半までに追いつきゴールスプリントに持ち込みたいと考えます。
 
総合リーダーを抱える Mitchelton-SCOTT チームのアシスト選手達は、レースのスタート直後から集団コントロールをすることに備え、スタート前にローラー台でウォームアップして準備していました。
 
レースが始まると、アタックはかかるものの警戒する各チームの働きもあり、決定的な逃げは成立しません。
中間スプリントポイントで他のスプリンター達を振るい落とそうと、BORA-hansgrohe チームが猛烈にペースを上げ、集団を小さくしてしまいます。
この集団に入り損ねたのはスプリンターばかりでなく、総合の有力選手も第2、第3集団に取り残されてしまいました。
先頭にエースを入れられた、Team Jumbo-Visma、INEOS GRENADIERS、ASTANA PRO TEAM などのチームがその差を決定的なものにしようと積極的に牽引し、そのまま先頭集団のハイペースを維持します。
Mitchelton-SCOTT チームではEsteban Chaves 選手が先頭集団に入ることが出来ず、この日のレースと総合成績争いから脱落してしまいます。
 
平坦になると追い風、横風が進行方向によって変わり、選手達の体力を奪います。
ゴールまでハイペースは保たれ、危険回避のために先頭をキープしたAdam Yates 選手はゴールスプリントの後方に付きタイム差無しでゴールしました。
 
ステージ8位に入ったAdam Yates 選手、総合順位1位をキープし、翌日からのアルプスステージに挑みます。
 
レース後のインタビューで総合リーダーは以下のように語りました。
「ポジションを守るための重要な瞬間はほんの少ししかありませんでした。
実際には風はそれほど強くはありませんでしたが、いくつかの集団の分断を作るのには十分でした。
そんな中でもチームは私を完璧に守ってくれました。最終局面に向けても、彼らが私を正しいポジションに置き、そこにとどまらせるために多くのエネルギーを費やしてくれました。その結果として、その時、チームでそこに残れたのは私は一人でした」
「次の2日間はかなり厳しいものになるはずです。今日、誰もが2つの大きな山岳ステージの前に楽な日を過ごすことを期待していたと思いますが、BORA-hansgroheは他のアイデアを持っていて、最初から最後までかなりfull gas(全速力)で走っていました。みんなにとってとてもハードな一日になりました」
 
 
 
Tour de France Stage 7 – Results:
1. Wout van Aert (Team Jumbo-Visma) 3:23:03
2. Edvald Boasson Hagen (NTT Pro Cycling) ST
3. Bryan Coquard (B&B Hotels - Vital Concept p/b KTM) ST
8. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) ST
 
Tour de France – General Classification:
1. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) 30:36:00
2. Primoz Roglic (Team Jumbo-Visma) +0:03
3. Guillaume Martin (Cofidis Solutions Crédits) +0:09
Photo courtesy of Getty Images and A.S.O./Pauline Ballet. Mitchelton-SCOTT HP
 
Photo courtesy of Getty Images and A.S.O./Pauline Ballet. Mitchelton-SCOTT HP
 
 
 
 
 
 
 
9/5 第8ステージは上りゴールではないものの、1級山岳、超級山岳、ボーナスタイム付き1級山岳と連なる141kmでした
スタート直後から形成された逃げ集団は総合成績では危険なメンバーを含まない13名。Sam Bewley 選手 と  Jack Bauer 選手が先頭を引く集団とのタイム差は最大14分以上つきます。
超級山岳を上るころ、Team Jumbo-Visma が集団先頭を引き始め、ペースを上げるとメイン集団の人数も見る見る少なくなっていきました。
 
最終的にこの13人から8名が逃げ切り、 AG2R La Mondiale チームのフランス人、Nans Peters 選手が勝利します。1位から6分以上遅れて総合上位勢がゴールしAdam Yates 選手は途中で離される場面も有りましたが、総合首位はキープできました。
その後のインタビューでは以下のように語っています。
 
「今日は大変な一日でした。最初は逃げの選手達を自由にさせましたが、良い展開でした。最も上位の選手でも17分遅れていましたので、コントロールするのは簡単でした」
「その後、Team Jumbo-Vismaが登場し、ペースを本当に強く押し上げ始めました。
彼らは集団の先頭に立ったときからフィニッシュまで、かなりのfull gas(全速力)で引いていました。
結局、私は自分の出来ることをやるだけでした。最高の仲間達と一緒に、この位置にいられるように努めました。そして結果的にここにいます」
「(Team Jumbo-Visma のTOM) DUMOULIN は猛烈なペースを維持し、私はその後ろに付くことができず、自分のペースで少し走らなければならなかった。私は自分自身を再認識することができました。 結果的にすべてを含めれば良い日でした」
「「明日は非常に似たステージです。もし私たちが耐えてチャンスを待つことができれば、翌日が休息日なので、うまくいけばそれまでイエロージャージを着続けることができます。明日、何が起こるのか。それは誰にも判らないでしょう?」
 
 
 
Tour de France Stage 8 – Results:
1. Nans Peters (AG2R La Mondiale) 4:02:12
2. Toms Skujiņš (Trek - Segafredo)
3. Carlos Verona (Movistar Team) 
12. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +6:40
 
Tour de France – General Classification:
1. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) 34:44:52
2. Primoz Roglic (Team Jumbo-Visma) +0:03
3. Guillaume Martin (Cofidis Solutions Crédits) +0:09
Photo courtesy of Getty Images and A.S.O./Pauline Ballet. Mitchelton-SCOTT HP
 
 
 
9/6 第9ステージはいくつもの山岳が続き、ゴール前にボーナスタイム付きの1級山岳が設定されたタイム差の付くコース設定でした。
 
レースはスタート直後からハイスピードのアタック合戦が繰り広げられました。
その後、最初の1級山岳で 雨が降る中、Team Sunweb の Marc Hirschi 選手が単独で抜け出し、それを8名の追走集団が追う展開になりレースが進みます。
 
その後ろ、メイン集団も厳しい山岳コースを Team Jumbo-Visma が引き始めると続々と脱落する選手が出てきます。8名の追走集団にに追いついた後もメイン集団のペースは緩まず、UAE-Team Emirates の Tadej Pogačar 選手がそこからさらにアタックをかけるとそれに反応できる選手はかなりの少数で、総合首位の Adam Yates 選手もついについていけなくなりました。
抜け出した4名の精鋭集団がゴール前2kmで逃げ切りをあきらめ、ゴール勝負に切り替えた Marc Hirschi 選手を吸収し、5名のゴールスプリントでUAE-Team Emirates の Tadej Pogačar 選手がステージ優勝をあげました。
 
Adam Yates 選手はその選手たちから54秒遅れの15位でゴールし、1分2秒差の総合8位と遅れを致命傷というほどまでではなく抑えましたが、総合首位は明け渡しました。
ゴール後のインタビューでは以下のように語っています。
 
「本当に登りの勝負開始までは脱落することはなかったし、私はベストを尽くしました。自分の状態が100%ではないことをレースに参加する前の時点で知っていたので、できる限りのことをしました。
私たちはここまでのレースを誇りに思うことができます。残りの日数は気持ちを切り替えていきます」
「今日のステージはペースが少し速かった。言ったように、私はできることをやったが、私よりも調子の良い選手がいるので、こういう結果になりました。総合首位のイエロージャージを着てのライディングはとても名誉で、素晴らしいものだった。それを続けられている間は楽しい時間だった」
「次の2日間は平坦ステージで、横風が吹き、集団の分断があるかもしれないので、タイム差がいとも簡単に付いてしまうかもしれません。それから何が起こるかを見ていきます。最初の週には、いろいろなステージが有ると先週のインタビューで言いました。これからも私たちのチームの力で何ができるか見てみましょう。」
 
 
Tour de France Stage 9 - Results:
1. Tadej Pogačar (UAE-Team Emirates) 3:55:17
2. Primož Roglič (Team Jumbo-Visma) ST
3. Marc Hirschi (Team Sunweb) ST
15. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +0:54
 
Tour de France - General Classification:
1. Primož Roglič (Team Jumbo-Visma) 38:40:01
2. Egan Bernal (INEOS Grenadiers) +0:21
3. Guillaume Martin (Cofidis) +0:28
8. Adam Yates (Mitchelton-SCOTT) +1:02
 
 
 
 
 
 
 
1回目の休息日を挟んだ9/8 第10ステージは168.5kmの平坦ステージです。
 
今回の休息日はPCR検査の日でも有ります。休息日の前に各チームの選手、関係者30名全員に検査が行われ、陽性が確定した人はもちろん、2名以上出た場合にはチームもレースを去ることが特別ルールで決まっています。
検査の結果関係者に陽性者が出ましたが、幸いにも選手は皆、陰性。
陽性者が複数出たチームも無く、レースは無事続けられることになりました。
 
特別な状態の中でも全力で頑張る Mitchelton-SCOTT チームの活躍にご期待ください。
TOPへ戻る