Giro d'Italia 2022 第12~15ステージ
Photo BY Giro d'Italia HP
Team DSM が今年最初のグランツール、第105回 Giro d'Italia に出場しました。
Giro d'Italia はイタリアを3週間かけて走るステージレース。
7月のLe Tour de France 、9月のVuelta a España と合わせて3大ツール、グランツールと呼ばれる最大規模のステージレースです。
レースは 5/10 第4ステージからイタリア国内、シチリア島に入りイタリア国内を北上していきます。
今回は 5/19 第12ステージから 5/22 第15ステージまでをレポートします。
Photo BY Team DSM HP
Team DSM のメンバーは以下の通りです。
191 ROMAIN BARDET 30歳 フランス
192 THYMEN ARENSMAN 22歳 オランダ
193 CEES BOL 26歳 オランダ
194 ROMAIN COMBAUD 30歳 フランス
195 ALBERTO DAINESE 23歳 イタリア
196 NICO DENZ 27歳 ドイツ
197 CHRIS HAMILTON 26歳 オーストラリア
198 MARTIJN TUSVELD 28歳 オランダ
第11ステージで ALBERTO DAINESE 選手がステージ優勝し、
ステージ終了時点でチームのエース、Romain Bardet 選手は14秒差の4位に付けていました。
第2エースの Thymen Arensman 選手は1分27秒遅れの12位。ヤングライダー賞では3位。
総合成績
1 LÓPEZ Juan Pedro Trek - Segafredo 46:43:12
2 CARAPAZ Richard INEOS Grenadiers 0:12
3 ALMEIDA João UAE Team Emirates ,,
2 CARAPAZ Richard INEOS Grenadiers 0:12
3 ALMEIDA João UAE Team Emirates ,,
4 BARDET Romain Team DSM 0:14
12 ARENSMAN Thymen Team DSM 1:27
34 HAMILTON Chris Team DSM 21:50
57 TUSVELD Martijn Team DSM 50:05
107 COMBAUD Romain Team DSM 1:43:51
129 DAINESE Alberto Team DSM 2:05:38
133 BOL Cees Team DSM 2:09:04
145 DENZ Nico Team DSM 2:18:25
ヤングライダー賞
1 LÓPEZ Juan Pedro Trek - Segafredo 46:43:12
2 ALMEIDA João UAE Team Emirates 0:12
3 ARENSMAN Thymen Team DSM 1:27
2 ALMEIDA João UAE Team Emirates 0:12
3 ARENSMAN Thymen Team DSM 1:27
35 DAINESE Alberto Team DSM 2:05:38
Photo BY Giro ditalia HP
5/19 第12ステージは204kmの山岳ステージ。
スタートから逃げを狙ったアタックとそれを捕まえる動き、さらなるカウンターアタックが繰り返されます。決定的な動きにはならず、大きな集団のまま 56.9km 地点の最初のスプリントポイントまでとても速いペースでたどり着きます。
スプリント賞のマリアチクラミーノを着用した Groupama - FDJ チームの Arnaud DÉMARE 選手が先頭を取り、ポイントを追加。そこからようやく集団は落ち着きを取り戻し、22名の力のある選手は含むが総合成績的には問題がない逃げグループを容認します。
この集団には Team DSM からNico Denz 選手も加わります。
最後の3級山岳で この逃げグループから3名が飛び出し、少人数のスプリントで ALPECIN-FENIX チームの Stefano Oldani 選手がステージ優勝しました。前日の Team DSM Alberto Dainese 選手に続き、地元イタリア人選手が2連勝。
Nico Denz 選手はゴール後のインタビューに以下のように答えました。
「朝の時点では大きなタイム差の付く戦いを期待していましたが、そうはなりませんでした。
超ハイスピードで最初の1時間、集団の平均時速は53kmでした。
その中で総合上位の選手が逃げグループに滑り込まないように警戒していました」
「Wilco (Kelderman 選手 BORA - HANSGROHE) を追いかけたところ、後ろの集団とタイム差が開いたため逃げに打って出ました。Wilco とMollema (Bauke Mollema 選手 TREK - SEGAFREDO)のいるグループでずっと一緒に走っていましたが、最後の1kmで爆発的にペースが上がり、その後はクライマー達と同等のトップの結果を出せないのは明らかでしたので、グループからは外れ、翌日以降のエネルギーをセーブしました」
ステージ順位
1 Stefano Oldani ALPECIN-FENIX 04:26:47
2 Lorenzo Rota INTERMARCHÉ - WANTY - GOBERT MATÉRIAUX 00:00
3 Gijs Leemreize JUMBO-VISMA 04:26:49 00:02
2 Lorenzo Rota INTERMARCHÉ - WANTY - GOBERT MATÉRIAUX 00:00
3 Gijs Leemreize JUMBO-VISMA 04:26:49 00:02
16 Nico Denz Team DSM 04:32:27 05:40
28 Romain Combaud Team DSM 04:35:55 09:08
29 Chris Hamilton Team DSM ,,
32 Romain Bardet Team DSM 04:35:55 09:08
34 Martijn Tusveld Team DSM ,,
36 Thymen Arensman Team DSM ,,
36 Thymen Arensman Team DSM ,,
Photo BY 大会公式 Twitter
Photo BY Team DSM Twitter
Photo BY Giro ditalia HP
5/20 第13ステージは 3級山岳を序盤にこなす 150kmの平坦ステージ。
この日のコースはゴールスプリントが想定されたコース設定です。
レースが始まるとすぐにTeam DSM に異変が起こります。
ここまで好調で総合成績 4位に付けていたチームのエース、
Romain Bardet 選手が体調不良を訴え、ステージ途中でリタイアしてしまいました。
レースはスタート10kmで5名の逃げグループが形成され、
1名脱落したものの4名は最終盤まで逃げ続けます。
残り距離とタイム差が微妙な状態で逃げ続けるも、
ラスト300mで集団が飲み込みゴールスプリントに持ち込まれ、スプリント賞ジャージの
Groupama - FDJ チーム、Arnaud DÉMARE 選手が優勝しました。
Team DSMの Alberto Dainese 選手は5位に入賞しました。
Daines 選手はゴール後のインタビューに以下のように答えています。
「今日はRomain(Bardet 選手)を失ったのは本当に悲しかったし、彼がストップした際もチームは少し待ち、再編成して一緒に走ろうとしました」
「チームは、逃げグループとのタイムギャップをコントロールし、それを取り戻すのを助けるために、逃げグループの後ろを追う集団牽引を負担しました。ゴールスプリントで勝利を目指したけど、今日は5位までしか到達できませんでした」
Romain Bardet 選手はレース後、以下のようにコメントしています。
「このままレースを去ることに本当に落胆しています。私たちは皆、ここにたどり着くために本当に一生懸命努力し、可能な限り最高の状態になるために多くの投資をしてきました。
昨日のステージで本当に気分が悪くなり、その後も少しも良くなっていません。
私とチームはレースを続けようと全力を尽くしましたが、今日1日のステージを乗り切ることのできる材料が私の体に何も残っていませんでした」
「本当に残念だけど、ここには素晴らしいチームがいます。彼らがこのGiroを素晴らしいスピリットで継続し、うまくいけばもっと素晴らしい結果を残せると確信しています。彼らのベストを期待しています」
Team DSM の Matt Winston 監督は以下のようにコメントしています。
「Romain (Bardet 選手)がレースを去るのを見て誰もが失望しているのは明らかです。
彼は本当に良いポジションにいたし、チーム全体が総合成績に挑戦する準備をして、この場所に到達するために一生懸命働いてきました。しかし、それはチームの全体のことの1つであり、それはスポーツです。今一番大事なのは、Romain を健康にすることです」
「また、レースの残り日数も多く残っています。戦略を再編し、出来ることにフォーカスしていきたい」
チームの Anko Boelens 医師は以下のように説明します。
「昨日の段階で、Romain (Bardet 選手)は胃の病気で体調を崩し始めました。
彼を今日一日どうにか乗り越えさせようとしましたが、残念ながら一晩ではほとんど改善が見られませんでした。
今朝、私たちは今日のステージさえ走り切ることができれば、明日以降は問題がないと判断し、彼をステージに立たせるためにできる限りのことをしました。それでも苦情とエネルギーの低さで、彼はもうレースを続けることができませんでした」
1 DÉMARE Arnaud Groupama - FDJ 3:18:16
2 BAUHAUS Phil Bahrain - Victorious ,,
3 CAVENDISH Mark Quick-Step Alpha Vinyl Team ,,
5 DAINESE Alberto Team DSM ,,
21 BOL Cees Team DSM ,, -
36 ARENSMAN Thymen Team DSM ,, -
93 TUSVELD Martijn Team DSM 1:47 -
104 HAMILTON Chris Team DSM 1:59 -
121 COMBAUD Romain Team DSM 7:44 -
145 DENZ Nico Team DSM ,, -
1005 BARDET Romain Team DSM DNF
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Photo BY Giro ditalia HP
5/21 第14ステージは147kmの山岳ステージ。
76km地点の中間スプリントポイントを過ぎると2級山岳2か所を含む周回コースを2週半回るコース設定です。
Team DSM のスプリンター、Cees Bol 選手は疲労の蓄積を理由にこの日、スタートしませんでした。前日の Romain Bardet 選手に続いてのリタイアでチームは方針の変更を余儀なくされます。
アップダウンの続く逃げ切りも狙えるこのステージはスタートからアタック合戦が続き、総合首位も入れ替わったこの日、精鋭グループから抜け出して TEAM BIKEEXCHANGE - JAYCO チームの Simon Yates 選手が優勝しました。第2ステージ、個人TTに続く今大会2勝目です。ステージ3位に入った INEOS GRENADIERS チームの Richard CARAPAZ 選手が総合首位に立ちました。
Team DSM では Thymen Arensman 選手が19位、Christopher Hamilton 選手が33位でゴールしました。
ステージ順位
1 Simon Philip YATES TEAM BIKEEXCHANGE - JAYCO 03:43:44
2 Jai HINDLEY BORA - HANSGROHE 03:43:59 00:15
3 Richard CARAPAZ INEOS GRENADIERS 03:43:59 00:15,,
1 Simon Philip YATES TEAM BIKEEXCHANGE - JAYCO 03:43:44
2 Jai HINDLEY BORA - HANSGROHE 03:43:59 00:15
3 Richard CARAPAZ INEOS GRENADIERS 03:43:59 00:15,,
19 Thymen ARENSMAN Team DSM 03:54:25 10:41
33 Christopher HAMILTON Team DSM 04:05:35 21:51
33 Christopher HAMILTON Team DSM 04:05:35 21:51
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5/22 第15ステージは177km、2級山岳上りゴールのステージ。翌日は最後の休息日です。
スタートしてすぐに総合首位の INEOS GRENADIERS チームの Richard CARAPAZ 選手が多くの選手を巻き込み落車してしまいますが大事には至らず。
アタックが繰り返されるものの、なかなか逃げグループが形成されず、最初の1級山岳の手前で Team DSM の Martijn Tusveld 選手を含む5名の逃げグループができ、ここに Nico Denz 選手を含む多くの選手が合流することで 20名を超える大きな逃げグループが出来ました。
このグループ内では ALPECIN-FENIX チームの Mathieu Van Der Poel 選手が積極的なアタックを繰り返し、Martijn Tusveld 選手がこれに付きます。
山岳賞ジャージを取り返したいTEAM JUMBO - VISMA の Koen Bouwman 選手が追い付き、オランダ人選手3名で最初の1級山岳を上ります。
Bouwman 選手がアタックをかけ、山頂をトップで通過。山岳ポイント首位に立ちます。
下りで Mathieu Van Der Poel 選手 、Martijn Tusveld 選手が追い付き、再び3名のグループになりますが目的を達成した Bouwman 選手は遅れ、先頭は2人になり2つ目の1級山岳を目指します。
追走グループ内では Nico Denz 選手が集団のペースをかく乱しようと奮闘しますが、追走のペースは上がり続け、Trek - Segafredo チームの Giulio Ciccone 選手がアタック。
合流した精鋭クライマーたちのグループに追いつかれます。
そこから最後の山岳を19km単独で上り切った Ciccone 選手が優勝しました。
Team DSM Martijn Tusveld 選手は追いつかれた後も粘りの走りでステージ5位に入賞しました。
Tusveld 選手はゴール後のインタビューに以下のように答えました。
「今日の計画はブレイクグループに入ることだったし、オランダ人3人で上りを走ることができてよかったです」
「下りで3名で走り、他の選手たちに追いつかれるまで、私は付いていくことができました。最後の登りはそれほどトリッキーではありませんでしたが、そこまで一日中フルガスだったので、息付く隙はありませんでした。ステージ5位入賞は自分にとってとてもいい結果ですし、自身の状態の良さに満足しています」
ステージ順位
1 CICCONE Giulio Trek - Segafredo 4:37:41
2 BUITRAGO Santiago Bahrain - Victorious 1:31
3 PEDRERO Antonio Movistar Team 2:19
1 CICCONE Giulio Trek - Segafredo 4:37:41
2 BUITRAGO Santiago Bahrain - Victorious 1:31
3 PEDRERO Antonio Movistar Team 2:19
5 TUSVELD Martijn Team DSM 4:36
29 ARENSMAN Thymen Team DSM 7:48
60 COMBAUD Romain Team DSM 26:45
82 HAMILTON Chris Team DSM 27:33
83 DENZ Nico Team DSM ,,
112 DAINESE Alberto Team DSM 34:48
総合成績
1 CARAPAZ Richard INEOS Grenadiers 63:06:57
2 HINDLEY Jai BORA - hansgrohe 0:07
3 ALMEIDA João UAE Team Emirates 0:30
2 HINDLEY Jai BORA - hansgrohe 0:07
3 ALMEIDA João UAE Team Emirates 0:30
15 ARENSMAN Thymen Team DSM 11:47
38 HAMILTON Chris Team DSM 1:05:04
45 TUSVELD Martijn Team DSM 1:19:58
108 COMBAUD Romain Team DSM 2:49:54
127 DAINESE Alberto Team DSM 3:16:18
132 DENZ Nico Team DSM 3:21:48
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チームのビジョンとして Keep Challenging を掲げる Team DSM。
チームが6名になってしまい、総合成績上位を狙う計画が難しくなったことで、逆にステージ優勝を狙ったより積極的な動きが出来るようになりました。
これからも Team DSMとSCOTT Bike の活躍にご期待ください。