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Giro d'Italia 2022  第4~9ステージ

Photo BY Giro d'Italia HP
 
 
Team DSM が今年最初のグランツール、第105回 Giro d'Italia に出場しました。

Giro d'Italia はイタリアを3週間かけて走るステージレース。
7月のLe Tour de France 、9月のVuelta a España と合わせて3大ツール、グランツールと呼ばれる最大規模のステージレースです。

その Giro d'Italia が今年はイタリアを離れ、ハンガリーでスタートして最初の3日間は走り、第4ステージからイタリア国内、シチリア島に入ります。
今回はそのイタリア国内移動後、5/10 第4ステージから 5/15 第9ステージまでをレポートします。


Photo BY Team DSM HP 

Team DSM のメンバーは以下の通りです。

191 ROMAIN BARDET 30歳 フランス
192 THYMEN ARENSMAN 22歳 オランダ
193 CEES BOL 26歳 オランダ
194 ROMAIN COMBAUD 30歳 フランス
195 ALBERTO DAINESE 23歳 イタリア
196 NICO DENZ 27歳 ドイツ
197 CHRIS HAMILTON 26歳 オーストラリア
198 MARTIJN TUSVELD 28歳 オランダ


第3ステージ 終了時点でチームにリタイアは出ておらず、8名全員で戦っています。
それぞれの総合順位は以下の通りです。
チームのエース、Romain Bardet 選手は35秒差の14位に付けています。
第2エースの Thymen Arensman 選手は44秒遅れの22位。ヤングライダー賞では9位となっています。

1    VAN DER POEL Mathieu    Alpecin-Fenix    9:43:50
2    YATES Simon    Team BikeExchange - Jayco    0:11
3    DUMOULIN Tom    Jumbo-Visma    0:16

14    BARDET Romain    Team DSM    0:35
22    ARENSMAN Thymen    Team DSM    0:44
91    HAMILTON Chris    Team DSM    2:41
114    TUSVELD Martijn    Team DSM    3:39
132    DAINESE Alberto    Team DSM    5:00
138    BOL Cees    Team DSM    5:17
139    COMBAUD Romain    Team DSM    5:21
168    DENZ Nico    Team DSM    7:26



 
5/10 第4ステージは172kmの1級山岳上りゴールのコース設定。
シチリア島の活火山、エトナ山をゴールに据えた総合成績にかかわる重要なステージです。

Team DSM は山岳系のエース、Romain Bardet 選手を序盤で消耗させないようにアシスト、力を残した状態で最後の上りまで連れていき、総合成績を争うライバル選手達とたたかわせるためにサポートします。

レーススタート直後から集団からのアタックが続き、14名が飛び出しました。
人数の多い逃げグループはアタックと絞り込みを繰り返し最終的に
 BORA - hansgrohe チームの Lennard KÄMNA 選手と Trek -Segafredo チームのJuan LÓPEZ 選手が抜け出し、そのまま逃げ切り KÄMNA 選手が優勝しました。

メイン集団もペースを上げ 7位に INEOS GRENADIERS チームの Richard Carapaz 選手が
2分31秒差でゴール。
Romain Bardet 選手はその後ろ、2分37秒差の8位でゴール、
Thymen Arensman 選手も Bardet 選手と同タイム扱いの14位でゴールしました。

総合成績では2位で逃げ切ったJuan LÓPEZ 選手が首位に立ち、Romain Bardet 選手 は2分6秒差の10位に上がりました。



Bardet 選手はゴール後のインタビューに以下のように答えました。
「僕たちにとってかなり良い最初のテストだった」
「チームは一緒に良いステージ走れた思う。僕たちは最後の上りが始まる時点で良いポジションにいました。登り始めたとき、私は良いポジションを保つためにチームからいくつかの本当に良いアシストを得ました。結局、総合成績にとって大きなタイム差の付く戦いにはならなかったけど、みんな本当に献身的だったし、僕たちにとってかなり良いステージだったから、良いスタートになったと思います」

Matt Winston 監督はインタビューに以下のように答えました。
「初めての山岳デーだったので、みんながいつも緊張していて、みんながどこにいるのか、どうやってレースに臨んだのか、初めての本当のテストでした。Romain(Bardet 選手)とThymen(Arensman 選手)がメイングループで一緒にフィニッシュしたことで、僕たちは本当に良い形でそれを乗り切ったと思います。チームは時間を無駄にせず、フィニッシュで快適に走っていたので、チームにとって本当に良い一日だったと思います。総合成績上位のパックに本当に入っていくし、残りのレースを楽しみにしています」



1    KÄMNA Lennard    BORA - hansgrohe    4:32:11  
2    LÓPEZ Juan Pedro    Trek - Segafredo    ,,  
3    TAARAMÄE Rein    Intermarché - Wanty - Gobert Matériaux    0:34  

8    BARDET Romain    Team DSM    2:37  
14    ARENSMAN Thymen    Team DSM    ,,   
44    HAMILTON Chris    Team DSM    5:56    
72    TUSVELD Martijn    Team DSM    13:31  
94    COMBAUD Romain    Team DSM    19:17 
143    BOL Cees    Team DSM    29:25   
157    DENZ Nico    Team DSM    29:55    
164    DAINESE Alberto    Team DSM       ,,    


Photo BY 大会公式 Twitter 




 
5/11 第5ステージは174kmの平坦ステージ。
この日のコースは平坦といいながらも中盤に2級山岳が有り、その上りを遅れず走り切れた選手たちによるゴールスプリントが想定されたコース設定です。

序盤の逃げグループも順調に吸収し、想定通り上れるスプリンター達による
ゴールスプリントを制したのはGroupama - FDJ チームの Arnaud  DÉMARE 選手。
Team DSM の Alberto Dainese 選手は7位に入りました


Alberto Dainese  選手はレース後のインタビューで以下のように答えています。
「中盤に2級山岳に登る忙しいステージだったけど、チームが僕の面倒を見てくれて、いい意味で一緒に乗り越えられました」
「チームでうまく一緒にいられたし、ゴールに近くなっても僕たちは高いペースの他チームの選手たちとポジションを保っていました。それから少しペースを落として、他のスプリントチームに引き継がせてから、Cees(Bol 選手)が僕を導いてくれました。スプリントで持てる全てを捧げ、何人かの選手を追い抜きましたが、表彰台に上がるのに少しだけ届きませんでした。次のスプリントステージでもう一度やり直したいというモチベーションはあります」


1    DÉMARE Arnaud    Groupama - FDJ    4:03:56    
2    GAVIRIA Fernando    UAE Team Emirates    ,,   
3    NIZZOLO Giacomo    Israel - Premier Tech    ,,   

7    DAINESE Alberto    Team DSM    ,,  
43    BOL Cees    Team DSM    ,,   
50    ARENSMAN Thymen    Team DSM    ,,  
52    BARDET Romain    Team DSM    ,,   
101    TUSVELD Martijn    Team DSM    0:40   
139    HAMILTON Chris    Team DSM    2:10  
140    COMBAUD Romain    Team DSM    ,,    
163    DENZ Nico    Team DSM    11:57 



Photo BY 大会公式 Twitter 




 
5/12 第6ステージは192kmの平坦ステージ。
この日は完全なフラットに近いコース設定で、第5ステージでは途中の上りで遅れてしまったピュアスプリンター達も参加したゴールスプリントが想定されたステージです。

集団に有利なフラットコースは逃げ切り勝利がかなり難しいため、この日は序盤にあまりアタックがかかりませんでした。
スタートから動きが無く、ようやく35km地点で飛び出したのが EOLO-KOMETA CYCLING TEAM の Diego Rosa 選手。これを集団から誰も追いかけず、独りだけで先行する展開になりました。
メイン集団は Diego Rosa 選手のペースが落ちても早いタイミングでは追いつくことがないように異常なほどのスローペースでゆったりと進みます。
計算通りに残り29kmで Diego Rosa 選手を吸収し、レースを集団ゴールスプリントに持ち込みました。

ゴールを制したのは前日と同じ Groupama - FDJ チームの Arnaud  DÉMARE 選手
LOTTO SOUDAL チームの  CALEB EWAN 選手とタイヤ差の接戦を制しました。

Team DSMの  Alberto Dainese 選手、Cees Bol 選手はゴール前で斜行した
UAE TEAM EMIRATES の FERNANDO GAVIRIA 選手と絡んでしまい、
体勢を大きく崩してしまいゴールスプリントに参加することが出来ませんでした。
(FERNANDO GAVIRIA 選手はゴール後、集団最後尾に降着処分)



1    DÉMARE Arnaud    Groupama - FDJ       5:02:33    
2    EWAN  CALEB    LOTTO SOUDAL    ,,    
3    CAVENDISH Mark    Quick-Step Alpha Vinyl Team    ,,  
   
44    ARENSMAN Thymen    Team DSM    ,,    
48    Bol Cees    Team DSM    ,,    
54    DAINESE Alberto    Team DSM    ,,  
66  BARDET Romain    Team DSM  ,,  






 
5/13 第7ステージは196kmの丘陵ステージ。
この日はフラットな場所がほとんどないコース設定で、前日とは打って変わり、逃げ切りをかけたアタックがスタートから繰り返されました。
50kmを過ぎ、1級山岳を上り始める頃、ようやく7名の逃げグループがメイン集団と差をつけることに成功。この中から Jumbo-Visma チーム2名を含む4名が残り、Koen Bouwman 選手が優勝しました。

メイン集団は 2分59秒遅れで到着、Romain Bardet 選手、Thymen Arensman 選手もタイム差無しでゴールしました。


1    Koen BOUWMAN JUMBO-VISMA       5:12:30    
2    Bauke MOLLEMA TREK - SEGAFREDO   ,,    
3    Davide FORMOLO UAE TEAM EMIRATES    ,,  
   
11 Romain BARDET Team DSM  2:59
40   Thymen ARENSMAN    Team DSM    ,,    

Photo BY 大会公式 Twitter 




 
5/14 第8ステージは153kmの丘陵ステージ。
大きな設定山岳こそないものの、アップダウンが続くコース設定。

この日はスタートからいきなり  Alpecin-Fenix チームの Mathieu  Van Der Poel 選手が飛び出し、その動きから有力な選手を含む21名もの逃げグループが形成されました。
このグループから LOTTO SOUDAL チーム2名を含んだ4名が先行し、ベテランのルーラー、 Thomas DE GENDT 選手が優勝しました。

メイン集団はそこから3分30秒遅れてゴール。
Team DSMの Thymen  Arensman 選手、Romain Bardet 選手も同タイムでゴールしました。



1    Thomas DE GENDT LOTTO SOUDAL       3:32:53    
2    Davide GABBURO BARDIANI CSF FAIZANE'    ,,    
3    Jorge ARCAS MOVISTAR TEAM    ,,  
   
20    Thymen Arensman    Team DSM    03:30    
37    Romain Bardet    Team DSM    ,,    





 
5/15 第9ステージは191kmの山岳ステージ、1日の獲得標高は5000mを越え、最後も1級山岳 BLOCKHAUS の上りゴール。公式サイトのコース難易度も最高ランクの星5つ。翌日は休息日なので力を出し切ることが出来る、今年のGiro ditalia の前半の山場となるステージです。

序盤から逃げ切り勝利を狙ったアタックが続き、第6ステージでも逃げた EOLO-KOMETA CYCLING TEAM の Diego Rosa 選手が山岳賞ジャージ獲得を狙い、この日も長く逃げて走りました。
メイン集団はそれらの逃げをコントロール下に置き、最後も1級山岳 BLOCKHAUS の上りに入る時点で全て吸収。各チームのエースたちの総合成績をかけた戦いに持ち込まれます。
この上りの序盤でスタート時点で1分42秒差、総合5位に付けていた Team BikeExchange - Jayco の Simon Yates 選手が遅れてしまいます。
Mitchelton Scott チーム時代の2018年には Giro d'Italia の3週目まで総合首位に立ち、Vuelta a España で総合優勝しているほどの選手ですが、この日は暑さと右膝の痛みで最終的に11分以上遅れてしまいます。

Richard Carapaz 選手で総合優勝を狙う INEOS Grenadiers チームの強力アシスト選手達がメイン集団のペースを猛烈に上げ続け、付いていけない選手をどんどん削ぎ落し残り10kmまでに20名ほどまで減らします。この中には Team DSM の Romain Bardet 選手、Thymen Arensman 選手が残っていました。
INEOS Grenadiers チームのアシストが仕事を終え、エースの Richard Carapaz 選手がアタックを仕掛けるとそれに反応できたのは
 Team DSM の Romain Bardet 選手、Bahrain – Victorious チームの Mikel Landa 選手だけ。
3名でそのまま上り、他の選手たちに差をつけますが決定的なほどには離せない。

ゴール前で Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux チームの Domenico Pozzovivo 選手、
BORA – hansgrohe チーム Jai Hindley 選手。UAE Team Emirates の João Almeida 選手が追い付き、6名の勝負に。

そこから Romain Bardet 選手、Jai Hindley 選手、Richard Carapaz 選手の3名で
スプリント勝負となり僅かな差で Jai Hindley 選手がステージ勝利をあげました。
Jai Hindley 選手は昨年まで Team DSM の所属で今年から BORA – hansgrohe チームに移籍。
Romain Bardet 選手は2位に入り、ボーナスタイム6秒を獲得しました。
Thymen Arensman 選手は58秒遅れのステージ10位に入りました。


Bardet 選手はゴール後のインタビューに以下のように答えました。
「総合成績の観点から見ると、我々は良いポジションにいると思う」
「私たちは求めていた場所にいます。本当に素晴らいことですし、我々はこれまでGiroでコントロールできていると感じてきた - チームは驚くほどうまく走ってきた。
もちろん今日は勝ちたかったので少しフラストレーションはあるけれど、まだステージはたくさん残っているし、私たちは良いポジションにいるのは確かだから、最初の1週間を高い調子で終えることが出来ています」

Matt Winston 監督はインタビューに以下のように答えました。
「チームの選手たちは今日も重要なタイミングで Romain(Bardet 選手)のアシストをし、彼はステージで2位、総合成績で3位に浮上しました。チームワークで本当に良い1週間を過ごしてきたと思うし、それが私たちをこのポジションに導いたと思います。
チームは本当にコントロールされた方法で走り、重要なタイミングで集団の前にいなければならないときに前にいることが出来ました。
私たちは今日は2位、総合成績で3位と本当にいいポジションに付けています。最初の休息日に入るレースの前半で正しい成果を手にしています」



ステージ順位
1    HINDLEY Jai    BORA - hansgrohe    5:34:44    
2    BARDET Romain    Team DSM    ,,    
3    CARAPAZ Richard    INEOS Grenadiers    ,,   

10    ARENSMAN Thymen    Team DSM    0:58    
30    HAMILTON Chris    Team DSM    9:26  
44    TUSVELD Martijn    Team DSM    17:36   
50    COMBAUD Romain    Team DSM    21:11  
81    DENZ Nico    Team DSM    33:15   
154    DAINESE Alberto    Team DSM    44:58    
165    BOL Cees    Team DSM    45:46        

総合成績
1    LÓPEZ Juan Pedro    Trek - Segafredo    37:52:01
2    ALMEIDA João    UAE Team Emirates    0:12
3    BARDET Romain    Team DSM    0:14

12    ARENSMAN Thymen    Team DSM    1:27
34    HAMILTON Chris    Team DSM    20:25
59    TUSVELD Martijn    Team DSM    49:03
110    COMBAUD Romain    Team DSM    1:34:40
144    DAINESE Alberto    Team DSM    2:04:46
150    BOL Cees    Team DSM    2:07:09
153    DENZ Nico    Team DSM    2:09:14




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チームのビジョンとして Keep Challenging を掲げる Team DSM。
第9ステージまでのレースではエース、Romain Bardet 選手を守り、総合3位に付けています。

これからも Team DSMとSCOTT Bike の活躍にご期待ください。
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