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Giro d'Italia 2021 第11~21ステージ

Photo BY Team DSM Twitter
 
 
2021年から SCOTT がBikeなどを供給するプロチーム、Team DSM が 5/8 から5/30
 まで開催されていた今年最初のグランツール、第104回 Giro d'Italia を完走しました。

Giro d'Italia はイタリアを3週間かけて走るステージレース。
7月のLe Tour de France 、9月のVuelta a España と合わせて3大ツール、グランツールと呼ばれる最大規模のステージレースです。
今回は休養日明けの 5/18 第11ステージから、最終日 5/30 第21ステージまでの後半をレポートします。
Photo BY Team DSM HP
 


Team DSM のメンバーは以下の通りです。

191 JAI HINDLEY 24歳 オーストラリア
192 NIKIAS ARNDT 29歳 ドイツ
193 ROMAIN BARDET 30歳 フランス
194 NICO DENZ 27歳 ドイツ
195 CHRIS HAMILTON 25歳 オーストラリア
196 MAX KANTER 23歳 ドイツ
197 NICHOLAS ROCHE 36歳 アイルランド
198 MICHAEL STORER 23歳 オーストラリア
Photo BY Team DSM Twitter 

17日はこの大会初の休息日で Team DSM の選手たちもリカバリーライドをこなし回復につとめました。
Photo BY Team DSM Twitter 

 

5/19 第11ステージは162kmで4か所、上りも含む合計35kmの未舗装路が大会前から注目されていたステージでした
レースはスタート直後に動き、11名の大きな逃げ集団が形成され、総合成績では問題になる選手を含まなかったためメイン集団と最大14分30秒もの差をつけて先行し、最終的に10名が逃げ切りました。

メイン集団でも危険回避の位置取り、繰り返されるペースアップで有力候補の脱落が続き、前日まで総合2位に付けていた Deceuninck - Quick Step チームの Remco Evenepoel 選手がこの日だけで1分以上遅れてしまいます。
Team DSM の Romain Bardet 選手も遅れ、Evenepoel 選手と一緒にゴールしました。



ステージ順位
1    SCHMID Mauro    Team Qhubeka ASSOS    4:01:55 
2    COVI Alessandro    UAE-Team Emirates    0:01
3    VANHOUCKE Harm    Lotto Soudal    0:26 

27    BARDET Romain    Team DSM    5:17
35    HINDLEY Jai    Team DSM    6:36 
44    HAMILTON Chris    Team DSM    9:39 
76    ROCHE Nicolas    Team DSM    18:59 
92    ARNDT Nikias    Team DSM    22:35
133    DENZ Nico    Team DSM    26:00
140    KANTER Max    Team DSM    ,, 
150    STORER Michael    Team DSM    ,,    


総合成績
1    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    42:35:21
2    VLASOV Aleksandr    Astana - Premier Tech    0:45
3    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    1:12

12    BARDET Romain    Team DSM    3:29
22    HINDLEY Jai    Team DSM    7:55

Photo BY Giroditalia Twitter 
Photo BY Team DSM Twitter 
 
5/20 第12ステージは大会2番目の距離、212kmのアップダウンを含むステージ。
大会公式では獲得標高3700mとされていましたが、GPSなどの情報では4500m以上だったともいわれる過酷なステージでした。

すでに総合成績で遅れている選手たちが目標をステージ優勝に切り替え、スタート直後から果敢にアタックを繰り返します。そのため序盤はハイペースで進み、落車も多く起こってしまい、有力選手のリタイアも出てしまいました。
Team DSM も NICHOLAS ROCHE 選手がアタックするなど積極的に動きますが決定的な動きにはならず、集団に引き戻されてしまいます。
 
悪天候の中でレースは進み、70kmを過ぎ、登りに差し掛かるころに16名の大きな逃げ集団が形成されました。総合タイムで問題になる選手が含まれていないことからメイン集団はこの逃げ集団を容認しました。
Team DSM からは CHRIS HAMILTON 選手がこの集団に入ります。
 
16名の逃げ集団は逃げ切りに向けて協調し、個人タイムトライアルの世界チャンピオンで第1ステージで優勝した INEOS Grenadiers チームの Filippo Ganna 選手が強烈に引くメイン集団から逃げ続けます。
最大で10分以上のタイム差で逃げ続けた集団もカテゴリー山岳をいくつも含む厳しいコースで徐々に人数を減らしていきます。
最後の3級山岳で飛び出した、AG2R Citroën Team の Andrea Vendrame 選手についていけたのは3名のみ。
Team DSM の CHRIS HAMILTON 選手以外は
Team Jumbo-Visma の George Bennett 選手。
Trek-Segafredo チームの Gianluca Brambilla 選手。
がこの集団に入ります。
 
この時点で逃げていた選手の中に追いついてこれらる選手はなく、ステージ優勝はこの4名に絞り込まれます。
先頭4名の中でゴールスプリントの能力が高いのは過去の実績からするとVendrame 選手。それがわかっている他の3名は抜け出しを狙い、上りでアタックをかけますが決まりません。

そのまま4名で3級山岳を上り切り、下りと平坦に入りゴールを目指します。
残り3kmの地点で Vendrame 選手と Team DSM の CHRIS HAMILTON 選手が抜け出すことに成功します。
この2名がそのまま逃げ切り、優勝争いはこの2人のゴールスプリントとなりました。
ゴールスプリント勝負では分の悪い CHRIS HAMILTON 選手。ギリギリまで Vendrame 選手の後ろに付き、脚をため勝負に徹します。
最善を尽くした HAMILTON 選手でしたがスプリントの切れでは及ばず破れ、ステージ2位になりました。


ステージ順位
1    VENDRAME Andrea    AG2R Citroën Team    5:43:48 
2    HAMILTON Chris    Team DSM    ,, 
3    BENNETT George    Team Jumbo-Visma    0:15 

19    STORER Michael    Team DSM    10:14 
32    BARDET Romain    Team DSM    ,,  
69    ROCHE Nicolas    Team DSM    15:28 
82    HINDLEY Jai    Team DSM    17:46 
94    DENZ Nico    Team DSM    22:57 
95    ARNDT Nikias    Team DSM    ,,   
111    KANTER Max    Team DSM    26:05 


総合成績
1    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    48:29:23
2    VLASOV Aleksandr    Astana - Premier Tech    0:45
3    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    1:12

11    BARDET Romain    Team DSM    3:29
25    HINDLEY Jai    Team DSM    15:27
40    STORER Michael    Team DSM    41:16
42    HAMILTON Chris    Team DSM    41:56
62    ROCHE Nicolas    Team DSM    1:02:21
99    ARNDT Nikias    Team DSM    1:37:03
129    DENZ Nico    Team DSM    2:03:45
134    KANTER Max    Team DSM    2:06:29

ゴール後のインタビューで CHRIS HAMILTON 選手は以下のように答えています。
かなりつらい一日だったし、誰もが期待していたと思います。
これまでで最も長いステージ、これまで最も高い標高が含まれていました。今日のコースは、逃げのための良いチャンスになると思っていました。
Nico(Nicholas Roche 選手)と私は逃げ集団の形成を狙っていました。繰り返されるアタックの後、私はそれを成功させました。その後はあまりにも早く切り札を公開しないこと、できるだけ効率的であることを考え走っていました。
4人で勝利を争ってゴールに進んだのはかなりクールでした。自分が自身の成績を狙えるチャンスがあまりなかったので、チャンスを得られたチームに本当に感謝しています。
もちろん、私は勝つのが大好きでしたが、今後は「Grand Tourのステージで2位、はい、私はそれを達成したことがあります」と言うことができます。他にできることはあまりないし、本当に満足しています。


Team DSM の Matt Winston コーチは次のように付け加えました。
今日のステージを見て、総合成績を争う選手たちはの最後の登りで戦う可能性があり、それ以外の選手にとっては逃げ切り勝利を狙うステージになると思っていました。Nico(Nicholas Roche 選手)とCHRIS(CHRIS HAMILTON 選手)は体力を残していたので、この狙いに適任でした。CHRISはそれを成功させました。
彼はかなりスマートに乗って、最後の登りで本当に強く見え、ギャップを埋めました。その後アタックを試みましたが、優勝した Vendrame 選手に追いつく為にに本当に良い仕事をしました。彼は戦術的に非常によく乗ったと思うし、ステージ2位は本当に良い結果であり、素晴らしいステップです。
また、Romain(Romain Bardet 選手)は良い形でステージを通過し、本当にここからもっと上の成績を得ることができると思っています。

 
 
5/21 第13ステージは198kmの平坦ステージ。
獲得標高は200mと類を見ないほど真っ平らなステージで、翌日に控える難易度5星の山岳ステージを前にした移動と休息を兼ねたコース設定でした。

この日もUCIプロチームの地元イタリア人選手3名が逃げをうちます。
集団はそれをいつでも捉えられる距離に置きレースは進みます。
残り7kmでメイン集団が逃げていた選手を全て吸収しゴールスプリントへ。
残り600mで Team Jumbo-Visma の Edoardo Affini 選手がロングスパートで抜け出します。
昨年までは Mitchellton で走っていたTTスペシャリストがスプリンターたちを出し抜くかと思われましたが、Team Qhubeka ASSOS の Giacomo Nizzolo 選手がギリギリで1位。
Team DSM のスプリンター、Max Kanter 選手は8位になりました。



1    NIZZOLO Giacomo    Team Qhubeka ASSOS    4:42:19 
2    AFFINI Edoardo Team Jumbo-Visma     ,, 
3    SAGAN Peter    BORA - hansgrohe    ,, 

8    KANTER Max    Team DSM    ,,    -
19    DENZ Nico    Team DSM    ,,    -
36    ARNDT Nikias    Team DSM    ,,    -
44    BARDET Romain    Team DSM    ,,    -
119    STORER Michael    Team DSM    0:51    -
122    ROCHE Nicolas    Team DSM    ,,    -
161    HAMILTON Chris    Team DSM    2:15    -
162    HINDLEY Jai    Team DSM    ,,    
Photo BY Team DSM Twitter 



 
5/22 第14ステージは205km、かの有名な魔の山こと MONTE ZONCOLAN。
上りゴールの山岳ステージです。

この日、Team DSM は、Jai Hindley 選手がスタートしないことを発表しました。
昨年、総合2位に入った Jai Hindley 選手でしたが、今年はすでに大きく遅れていました。
原因はサドル部分の痛み(saddle sore)が深刻な為と報告されています。

この日も序盤に11名の逃げ集団が形成されます。
最終的にそこから3名が逃げ切る結果となったこのステージ。
総合成績上位勢ではINEOS Grenadiers の Egan Bernal 選手が4位に入り、タイム差を広げました。
Team DSM の Romain  Bardet 選手は、Egan Bernal 選手から
1分ほど遅れて集団内で15位でゴールし、総合成績を10位としました。


ステージ順位
1    FORTUNATO Lorenzo    EOLO-Kometa    5:17:22
2    TRATNIK Jan    Bahrain - Victorious    0:26
3    COVI Alessandro    UAE-Team Emirates    0:59 

15    BARDET Romain    Team DSM    2:45 
43    HAMILTON Chris    Team DSM    10:46 
54    ROCHE Nicolas    Team DSM    15:10 
64    ARNDT Nikias    Team DSM    20:57
106    DENZ Nico    Team DSM    35:19 
107    STORER Michael    Team DSM    ,,  
129    KANTER Max    Team DSM    36:38
1006    HINDLEY Jai    Team DSM    -05:17:22    


総合成績
1    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    58:30:47
2    YATES Simon    Team BikeExchange    1:33
3    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    1:51

10    BARDET Romain    Team DSM    4:31
41    HAMILTON Chris    Team DSM    53:14
55    STORER Michael    Team DSM    1:15:43
56    ROCHE Nicolas    Team DSM    1:16:39
88    ARNDT Nikias    Team DSM    1:56:17
127    DENZ Nico    Team DSM    2:37:21
132    KANTER Max    Team DSM    2:41:24

Photo BY giroditalia Twitter 
Photo BY Team DSM Twitter 





 
 
5/23 第15ステージは147kmのアップダウンを含むステージでした。
前日の第14ステージは魔の山 ZONCOLAN の上りゴール。
翌日の第16ステージは今大会最高峰を含む1級山岳3つを上るクイーンステージ、その翌日は2回目の休養日です。
その厳しいステージに挟まれたこの第15ステージは総合成績ではなく、ステージ優勝を狙う選手たちにとっては逆に大切なステージになります。

Team DSM の2人の総合エースのうち、昨年総合2位に入った Jai Hindley 選手が第14ステージの前にリタイアしてしまいました。その結果、残る Romain Bardet 選手の総合上位と共に、他の選手のステージ優勝もターゲットになってきました。

レースがスタートすると、すぐにアタックが開始され、そのまま逃げ集団が形成されるか、というところで、メイン集団の後方で大きな落車が起こってしまいます。
多くの選手を巻き込み、再スタートができない選手も出る状態で、レースは一時中断。
4名のリタイアが有り、その後もニュートラル走行の措置が取られます。
   
 
30分以上のニュートラル走行が解除されると、またすぐにアタックがかかります。
15名の逃げ集団が形成され、この中にはTeam DSM の上りもこなせるスプリンター、29歳のドイツ人、Nikias Arndt 選手が入りました。

この逃げ集団には総合成績上位につけている選手がいない為、メイン集団を引く上位チーム達は容認します。悪天候の中で安全を優先する集団とは最大で11分もの差が付き、残り距離が少なくなっていくごとに逃げ切りが濃厚になっていきます。
 
逃げ集団も残りの距離が少なくなるにつれてゴール勝負を意識したアタックと牽制が続きます。
残り22.5kmの地点で Team Qhubeka Assos の Victor Campenaerts 選手が集団後方から一気にアタックし、それに反応した Movistar Team の Albert Torres 選手、 Alpecin-Fenix チームの Oscar Riesebeek 選手が追い、3名が逃げ集団から抜け出します。

後方の追走集団にチームメイトがいる Movistar Team のAlbert Torres 選手は先頭交代を拒否していましたが他の2名でペースを上げそのまま先行します。
この2名がゴールまで逃げ切り、スプリントを制した Team Qhubeka Assos の Victor Campenaerts 選手がステージ優勝を飾りました。
追走集団も逃げ切り、その集団先頭で4名のゴールスプリントに勝利した Team DSM の Nikias Arndt 選手が7秒差の3位になりました。



ステージ順位
1 CAMPENAERTS Victor Team Qhubeka ASSOS 3:25:25
2 RIESEBEEK Oscar Alpecin-Fenix ,,
3 ARNDT Nikias Team DSM 0:07

36 DENZ Nico Team DSM 17:21 -
57 BARDET Romain Team DSM ,, -
95 KANTER Max Team DSM ,, -
96 HAMILTON Chris Team DSM 17:39 -
114 STORER Michael Team DSM ,, -
127 ROCHE Nicolas Team DSM ,,

総合成績
1 BERNAL Egan INEOS Grenadiers 62:13:33
2 YATES Simon Team BikeExchange 1:33
3 CARUSO Damiano Bahrain - Victorious 1:51

9    BARDET Romain    Team DSM    4:31



Photo BY Team DSM Twitter 



ゴール後のインタビューで Nikias Arndt 選手は以下のように答えています。
今日のスタート時点では横風分断の可能性があると思っていたので、準備をしていましたが何も起こりませんでした。
(集団落車とニュートラル走行からの再スタートは)超高速リスタートだったし、私は素晴らしかったエスケープグループを作り、それに乗ることができました。先頭集団でうまく一緒に乗ったが、その後、レースはフィニッシュに向かって動きだし、2名の選手が逃げました。雨ではなくコースが乾燥していたら捕まえる可能性が高かったかもしれないが、悪天候の中アタックした2名は強かったと思う。最後の2回の登りで彼らを捉えることを願っていましたが、最終的には先頭の2名は強く、間に合いませんでした。残念ではありましたが我々にとって、これまでも3位は獲得していたが、ここでも表彰台を獲得できたので、素晴らしい結果だと思います。


Team DSM の Matt Winston コーチは次のように答えました。
今日もチームからエスケープグループに入ったNikias(Arndt 選手)が良い結果を残した。私は彼が2度目の逃げグループに入るため、リスタート後に良い仕事をしたと思います。彼はチームが表彰台を得るためにそこで本当に素晴らしい仕事をしてくれました。アタックを逃しただけで、それでもステージをうまく突破し、良い結果を得ました。メイン集団でもチームの選手達はエースの Romain (Bardet 選手)の面倒を見て良い仕事をしていました。大きなストレスにさらされることもなく、明日の大事なステージに集中できるはずです。





 
5/24 は第16ステージ。
当初のコース設定では1級山岳を2つ越え、今大会最高地点となるPASSO PORDOI を越えて1級山岳PASSO GIAU を上る予定でしたが、悪天候のため、途中をカットし、直接 PASSO GIAU を越えるルートに直前に変更され、大会最高地点も PASSO GIAU になりました。

スタート前、昨日起きたケーブルカーの事故の犠牲者と、トレーニング中に車に轢かれ亡くなった17歳のライダーに1分間の沈黙がささげられました。

153kmに短縮されたコース、スタート直後から20名を超える逃げグループが形成されます。
その後、ペースが上がり6名に絞られた逃げ集団は快調に進みますが、メイン集団も INEOS Grenadiers チームの強力なペースアップで牽引で追い上げます。
PASSO GIAU の上りで逃げ集団をメイン集団が吸収しますが、その時点でメイン集団もたったの8名。最終局面で勝負に参加できたのはコンディションの良いエース格の精鋭のみでした。

Team BikeExchange  Simon Yates 選手
Team DSM  Romain Bardet 選手
TREK - SEGAFREDO Giulio Ciccone 選手
INEOS Grenadiers  Egan Bernal 選手
INEOS Grenadiers  Daniel Martinez 選手
EF EDUCATION - NIPPO  Hugh Carthy 選手
EF EDUCATION - NIPPO  Simon Carr 選手
Bahrain Victorious  Damiano Caruso 選手

残り25km付近、勝負どころの上りに入り、この先頭グループから総合2位の Team BikeExchange 、Simon Yates 選手が遅れてしまいます。
このタイミングで総合首位、 INEOS Grenadiers チームのEgan Bernal 選手がペースを上げ、そのまま独走態勢に持ち込みます。

その後ろを追いかけたのは Bahrain Victorious チームの Damiano Caruso 選手。
少し離れて Team DSM の Romain Bardet 選手も追いかけました。

悪天候でヘリコプターを飛ばすことができず、レース中継映像が届かない状態に。
再開したのはゴール前400mの定点カメラでレインジャケットを脱ぎ、
ゴールする Egan Bernal 選手の姿でした。
そこから少し遅れてDamiano Caruso 選手と Romain Bardet 選手がそろって姿を現し、Romain Bardet 選手がゴールで先着しました。
Romain Bardet 選手は総合成績を前日の9位から7位に上げ、
3位まで1分22秒差、5位まで42秒差とタイム差を詰めることに成功しました。
Photo BY Team DSM HP : Cor Vos

ステージ順位
1 BERNAL Egan INEOS Grenadiers 4:22:41
2 BARDET Romain Team DSM 0:27
3 CARUSO Damiano Bahrain - Victorious ,,

43 STORER Michael Team DSM 18:54 -
83 DENZ Nico Team DSM 30:10 -
87 ARNDT Nikias Team DSM 32:26 -
88 HAMILTON Chris Team DSM 32:36 -
101 KANTER Max Team DSM 34:15 -
103 ROCHE Nicolas Team DSM 35:25

総合成績
1 BERNAL Egan INEOS Grenadiers 66:36:04
2 CARUSO Damiano Bahrain - Victorious 2:24
3 CARTHY Hugh EF Education - Nippo 3:40

7    BARDET Romain    Team DSM    5:02

Photo BY Team DSM Twitter 



ゴール後のインタビューで Romain Bardet 選手は以下のように答えています。
チームのメンバーは最後の登頂前、ステージの早い段階で私を安全に保つために良い仕事をしました。
そこからのレースで、 Bernal (Egan Bernal 選手)は再び最強でした。
私は Caruso (Damiano Caruso 選手)と一緒に後ろにいて、山頂までは自分のペースで走りました。
その後、下りで私はタイム差を埋めるため、かなりプッシュし、タイムを稼ぎました。良い走りだったと思うし、Giroの3週目に進むにつれて幸せになっています。

Team DSM の Matt Winston コーチは次のように答えました。
今朝、ステージのプロフィールが変更されたとき、チームで新しいプランを考えて、本当に良い働きをしました。
最初のハードクライムのスタート時は本当に鋭かったと思うし、Romain (Bardet 選手)が最後の上り PASSO GIAU に行くのを全面的にサポートできたと思う。
最後の上りの少し前に先頭集団は分裂し始めましたが、我々はRomain (Bardet 選手)を良い位置に連れて行き、彼はそこで本当に強かったです。
その後、彼は先行する Caruso (Damiano Caruso 選手)を捕まえ、ステージ2位を取るために本当に良いダウンヒルを見せました。
その結果として総合成績のジャンプアップが有り、とても満足できる結果になりました。



 
5/25は大会2回目の休息日。
5/26 第17ステージは193kmの山岳ステージでした。

この日も序盤に19名の逃げ集団が形成されます。
最終的にそこから Israel Start-Up Nation チームの Dan Martin 選手が逃げ切りました。
2位には Deceuninck - Quick Step チームの João Almeida 選手、
3位には Team BikeExchange  の Simon Yates 選手が入り、それぞれ総合順位を上げました。
総合成績上位勢ではINEOS Grenadiers の Egan Bernal 選手がこの日は遅れてしまい7位。 
Team DSM の Romain  Bardet 選手はその Egan Bernal 選手から
1分ほど遅れて14位でゴールしました。


ステージ順位
1    MARTIN Dan    Israel Start-Up Nation    4:54:38
2    ALMEIDA João    Deceuninck - Quick Step    0:13
3    YATES Simon    Team BikeExchange    0:30

14    BARDET Romain    Team DSM    2:52
16    STORER Michael    Team DSM    3:05
41    ROCHE Nicolas    Team DSM    16:30
51    HAMILTON Chris    Team DSM    19:09 
67    ARNDT Nikias    Team DSM    24:38 
112    DENZ Nico    Team DSM    34:01
115    KANTER Max    Team DSM    35:34       


総合成績
1    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    71:32:05
2    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    2:21
3    YATES Simon    Team BikeExchange    3:23

6    BARDET Romain    Team DSM    6:31

Photo BY Giroditalia Twitter 
Photo BY Team DSM Twitter 
Photo BY Team DSM Twitter 





 
5/27 第18ステージは231km、平坦基調のステージでした。

最初の1時間のアタック合戦ののちに形成された大きな逃げ集団は23名。
この中に Team DSM は、Nicolas Roche 選手、Nikias Arndt 選手、Nico Denz 選手の3名を送り込みます。

総合成績で脅威になる選手を含まない為、総合上位チームにとって、
積極的に逃げ集団を追う必要がなくタイム差はどんどん広がり20分を越えます。
逃げ切りが濃厚になった逃げ集団ではステージ優勝をかけたアタックが繰り返され、
Nicolas Roche 選手も飛び出しますが大きな逃げ集団に捕まえられます。

そんな中、残り25km地点で、Deceuninck-Quick Step チームの
TTスペシャリスト、Rémi Cavagna 選手が飛び出し、独走態勢に入ります。

EF Education - Nippo チームの Alberto Bettiol 選手が追いかけ、Nicolas Roche 選手がそこに追いますが、上りで振り切られます。
残り7kmで Alberto Bettiol 選手が追い付き、Rémi Cavagna 選手も振り切り単独で逃げ始めます。2019年の Ronde van Vlaanderen でも残り17kmを逃げ切ったその脚力で最後まで逃げ切りステージ優勝をあげました。
Nicolas Roche 選手はそのまま2位のポジションで走り続けましたが、ゴール前で  Cofidis, Solutions Crédits チームの Simone Consonni 選手にかわされ、ステージ3位になりました。
Nikias Arndt 選手がほぼ同時にゴールして4位。
Nico Denz 選手も2分遅れの15位に入り、メイン集団とは23分30秒もの差が付きました。
その結果、各ステージのチーム内上位3選手のゴールタイムの合計で争われる
チーム総合成績で Team DSM は1位になり、表彰台にあがりました。



ステージ順位
1    BETTIOL Alberto    EF Education - Nippo    5:14:43
2    CONSONNI Simone    Cofidis, Solutions Crédits    0:17
3    ROCHE Nicolas    Team DSM    0:18

4    ARNDT Nikias    Team DSM    ,,  
15    DENZ Nico    Team DSM    2:36
47    HAMILTON Chris    Team DSM    23:30
59    BARDET Romain    Team DSM    ,,  
63    STORER Michael    Team DSM    ,,  
86    KANTER Max    Team DSM    ,,    


総合成績
1    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    77:10:18
2    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    2:21
3    YATES Simon    Team BikeExchange    3:23

6    BARDET Romain    Team DSM    6:31


チーム総合成績
1    Team DSM        31:54:20
2    INEOS Grenadiers        5:07
3    Trek - Segafredo        13:18



Photo BY Team DSM Twitter 

レース後のインタビューで、Nicolas Roche 選手は答えました。
レースはかなりうまくいきました。エスケープで抜け出すのが重要だったし、3名のチームメイトをそこに入れることができたので、かなり良かった。
Bettiol (Alberto Bettiol 選手)にブリッジしましたが、時間がかかりました。その後の彼は本当に強く、最後の登りで逃がしてしまいましたが、私はゴールでは3位に入ることができ、Nikias (Arndt 選手)は4位。ハードな一日を過ごして獲得した良い結果です。

Team DSMの Matt Winston コーチは次のように付け加えました
逃げ切りの日になると思っていたので、今日の目標をそこに設定しました。特に開始時の激しいアタックの後、そこに3人のメンバーを送り込めたのは良かったです。
ゴール近くでもうまくレースができたと思いますが、最終的には勝利に向かう脚がありませんでした。
チーム成績はトップ3の良い結果だと思う。我々のレースの積み重ねの結果です。






 
 
5/28 第19ステージは166km、1級山岳上りゴールの山岳ステージです。
この日のステージもロープーウェイ事故の影響で、峠をスキップ、短縮されました。

この日は序盤に総合成績とは無関係な6名の逃げ集団が形成され、長時間逃げ続けます。
最後の1級山岳に上り始める時点でメイン集団との差は18秒、そのまま吸収し、総合成績上位勢の勝負となりました。
残り6kmで Team BikeExchange 、Simon Yates 選手がアタックしそのまま逃げ切りました。
2018年の大会では SCOTT BIKE に乗り、第9、11、15ステージで優勝、
13日間総合首位に立つも第19ステージで大きく遅れてしまった Simon Yates 選手。
その時以来の Giro d'Italia ステージ優勝でした。

Team DSM の Romain  Bardet 選手はステージ10位。1分25秒遅れゴールし、総合成績を6位としました。


ステージ順位
1    YATES Simon    Team BikeExchange    4:02:55 
2    ALMEIDA João    Deceuninck - Quick Step    0:11 
3    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    0:28 

10    BARDET Romain    Team DSM    1:25  
22    STORER Michael    Team DSM    4:56   
31    HAMILTON Chris    Team DSM    7:00   
62    ARNDT Nikias    Team DSM    13:54  
74    KANTER Max    Team DSM    21:57  
79    ROCHE Nicolas    Team DSM    22:39 
106    DENZ Nico    Team DSM    25:06     


総合成績
1    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    81:13:37
2    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    2:29
3    YATES Simon    Team BikeExchange    2:49

6    BARDET Romain    Team DSM    7:32

Photo BY Team DSM Twitter 





 
 
5/29 第20ステージは205km、1級山岳2つ越えて、最後も1級山岳上りゴールの山岳ステージです。

このの序盤の逃げ集団は8名、Team DSM からは Nico Denz 選手が加わりますが、
最初の1級山岳 Passo San Bernardino の上りで  Nico Denz 選手は遅れてしまい、逃げ集団は5名に絞られます。

Team DSMはそこで作戦を切り替え、メイン集団の先頭を引き始めます。
Nicolas Roche 選手が上りで強力にペースを上げ、メイン集団の人数を減らし、下りに入ったところで Chris Hamilton 選手と Michael Storer 選手が総合エースの Romain Bardet 選手を連れて加速し抜け出し、3名で下りを飛ばして先行する逃げ集団5名に合流します。
この先頭集団にメイン集団から総合2位、Bahrain - Victorious チームの
 Damiano Caruso 選手がアシストの Pello Bilbao 選手を従えて合流します

最後の上りに入る時点で人数は Team DSM 2名とBahrain - Victorious チーム2名の4名に。
残り6.5km地点で最後に残ったBahrain - Victorious チームのアシスト、Pello Bilbao 選手が離れ、Damiano Caruso 選手とRomain Bardet 選手の直接対決に。
しかし、Romain Bardet 選手にはそこから勝負できる脚が残っていませんでした。

Damiano Caruso 選手が逃げ切り、ステージ優勝。
Team DSM の Romain  Bardet 選手は、4位でゴールし、総合成績を5位としました。


ステージ順位
1    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    4:27:53
2    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    0:24
3    MARTÍNEZ Daniel Felipe    INEOS Grenadiers    0:35

4    BARDET Romain    Team DSM    ,,   
24    STORER Michael    Team DSM    6:46  
69    HAMILTON Chris    Team DSM    25:38 
97    DENZ Nico    Team DSM    32:05   
98    ARNDT Nikias    Team DSM    ,,   
101    ROCHE Nicolas    Team DSM    32:58  
108    KANTER Max    Team DSM    34:18       


総合成績
1    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    85:41:47
2    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    1:59
3    YATES Simon    Team BikeExchange    3:23

5    BARDET Romain    Team DSM    7:48


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Photo BY Giroditalia Twitter 
Photo BY Team DSM Twitter 




 
5/30 最終日の第21ステージは30.3kmの個人タイムトライアルでした。

ほぼ平坦なコースで30kmのタイムトライアル、軽量なクライマーの Romain  Bardet 選手は苦手なステージですが総合順位を守るため、全力を出し切りました。

この日の順位はトップから2分遅れの31位。総合成績は優勝した Egan Bernal 選手から8分遅れの総合7位で
Romain  Bardet 選手のレースは終わりました。
このステージのTeam DSM  内トップは13位の Nikias Arndt 選手。
タイム差はトップから1分ほどでしたが、もう少し上が狙えたと不満げ。
チーム総合成績は3位となりました。


ステージ順位
1    GANNA Filippo    INEOS Grenadiers    33:48 
2    CAVAGNA Rémi    Deceuninck - Quick Step    0:12 
3    AFFINI Edoardo    Team Jumbo-Visma    0:13 

13    ARNDT Nikias    Team DSM    1:02
26    DENZ Nico    Team DSM    2:00
31    BARDET Romain    Team DSM    2:10
50    KANTER Max    Team DSM    2:43
63    STORER Michael    Team DSM    3:10 
93    HAMILTON Chris    Team DSM    3:47 
94    ROCHE Nicolas    Team DSM    3:48  


総合成績
1    BERNAL Egan    INEOS Grenadiers    86:17:28
2    CARUSO Damiano    Bahrain - Victorious    1:29
3    YATES Simon    Team BikeExchange    4:15

7    BARDET Romain    Team DSM    8:05

チーム総合成績
1    INEOS Grenadiers        259:30:31
2    Team Jumbo-Visma        26:52
3    Team DSM        29:09

Photo BY Team DSM Twitter 
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チームのビジョンとして Keep Challenging を掲げる Team DSM。
果敢な挑戦を繰り返し、エースの Romain Bardet 選手を総合トップ10以内、総合7位にすることができました。

これからも Team DSMとSCOTT Bike の活躍にご期待ください。
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