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Tour de France 第1ステージで ROMAIN BARDET 選手勝利!

 
2024年は 6/29 から 7/21 までの日程で開催される Tour de France 。
6/29 の第1ステージで Team dsm-firmenich PostNL の Frank van den Broek 選手と Romain Bardet 選手が2人でゴールまで逃げ切り、チームのエース、Romain Bardet 選手がステージ優勝、総合首位に立ちました。

Romain Bardet 選手は2016年の Tour de France で総合2位、2017年に総合3位になり、ステージ優勝は合計3回。山岳賞ジャージを獲得したこともあります。 
しかし、総合首位のイエロージャージを着用するのは今回が初めて。地元フランス人選手がこのジャージを着用するのは3年ぶりのことです。
1位を譲った Frank van den Broek 選手はタイム差無しの2位でゴールし新人賞、スプリント賞、敢闘賞を獲得しました。
2人のワンツーフィニッシュで Team dsm-firmenich PostNL はチーム総合1位も獲得しました。

大会公式HPはこちら



6/29 第1ステージは2級、3級の上りが続く206kmの丘陵コース。
2024年大会は第3ステージまで、フランスではなくイタリアで開催されます。
Tour de France では過去にもイタリアを走るステージは有りましたが、大会のスタート地点になるのは今回が初だということです。

初日にステージ優勝することが出来れば、リーダージャージも獲得できます。
世界で1番注目度の高い大会のリーダージャージには誰にとっても高い価値が有り、それを狙って例年のように初日が平坦コースならば各チームのエーススプリンターたちが活躍します。
しかしこの日のコース設定はいわゆる上れるスプリンターでも厳しいコース。
そのことで逃げを得意とする選手、総合系の選手、スピードのあるクライマー、多くの選手にステージ優勝の可能性が有りました。

16kmのニュートラル走行を経てレースがスタート。早い段階からアタック合戦が繰り広げられました。Team dsm-firmenich PostNL もエースの Romain Bardet 選手自ら何度も積極的にアタックをかけますが、なかなか決定的な逃げグループが出来ません。

残り距離190kmを切ったあたりで7名の逃げグループが形成されました。
Team dsm-firmenich PostNL からは Frank van den Broek 選手が入りました。

66 MATEJ MOHORIC 選手 BAHRAIN VICTORIOUS
95 VALENTIN MADOUAS 選手 GROUPAMA-FDJ
146 ION IZAGIRRE 選手 COFIDIS
163 CLÉMENT CHAMPOUSSIN 選手 ARKEA-B&B HOTELS
187 FRANK VAN DEN BROEK 選手 TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL
213 SANDY DUJARDIN 選手 TOTALENERGIES
218 MATTEO VERCHER 選手 TOTALENERGIES

UNO-X MOBILITY チームの Jonas Abrahamsen 選手が集団からアタックし、LIDL-TREK チームの南アフリカチャンピオン、Ryan Gibbons 選手がこの動きに追走します。

最初の2級山岳 COL DE VALICO TRE FAGGI でこのグループと集団とのタイム差は2分。 
Frank van den Broek 選手は4位で山頂を通過、山岳ポイント1ポイントを獲得しました。

このグループはこの後、大きなタイム差は許されず、2分以下のタイム差で総合系チーム、UAE Team Emirates や Team Visma | Lease a Bike がメイン集団の先頭をコントロールして進みます。
アップダウンが続くハイペースなレース展開でメイン集団から、ステージ最多勝のかかる ASTANA QAZAQSTAN TEAM の Mark Cavendish 選手が遅れます。Team dsm-firmenich PostNL の Fabio Jakobsen 選手もその後遅れ、同じグループでレースを走りました。

ハイペースで進むレース展開で逃げ集団、メイン集団ともに人数が減っていきます。
メイン集団の先頭には総合成績を狙う有力選手とそのアシスト選手がポジションを取り、Romain Bardet 選手もここにいました。

残り50km付近で Romain Bardet 選手が集団からアタック。
その時点で逃げグループは3名。
95 VALENTIN MADOUAS 選手 GROUPAMA-FDJ
187 FRANK VAN DEN BROEK 選手 TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL
202 JONAS ABRAHAMSEN 選手 UNO-X MOBILITY

Van den Broek 選手はエースを迎えるためにペースを落とし、一旦逃げ集団から離脱し、Romain Bardet 選手と合流します。
2人で逃げ集団に合流し、逃げ集団は4名になります。
そこから Jonas Abrahamsen 選手が遅れ3名、残り40kmで Valentin Madouas 選手も遅れ、Team dsm-firmenich PostNL の2人だけの逃げグループになります。

残り26.5km、最後の上り3級山岳 CÔTE DE SAN MARINO の山頂で先頭2名とメイン集団とのタイム差は1分50秒ほど。
この後は平坦で向かい風との情報も有り、逃げ切りは難しいのではないかという雰囲気に。

平坦に入り、残り15kmを切る地点で1分16秒差。

徐々に距離が減り市街地に。残り8kmでタイム差は1分を切り、40秒。

残り3.1kmで22秒。2人は先頭交代をしながら必死にスピードを上げます。

残り1.6kmで11秒。

残り500mでも追いつかれず、逃げ切りが確定!2人は信じられないと頭を抱えるポーズでゴール。
チームのエース、Romain Bardet 選手に勝利を譲り、ワンツーフィニッシュを決めました。
最終的なタイム差は5秒。
Team Visma | Lease a Bike の Wout Van Aert 選手が後ろの集団の先頭を取り、3位になりました。



Romain Bardet 選手はレース後以下のように語りました。
「言葉で説明するのは難しいです。このようなことを成し遂げられるなんて夢にも思いませんでした。今日はただ自転車でレースをして、チームとして全力を尽くしただけです。今日のコース設定や Frank(van den Broek 選手)と Oscar(Onley 選手)の走りを考えると、彼らには大きな敬意とフェアプレーへの称賛が必要です。私たちはエンジョイし、明日のことは考えず走りました。最後の40kmは一緒に走りました。私が逃げグループにブリッジしたとき、 Frank も私がそこにいることにとても興奮しているのが感じられ、その後はゴールまで全力で走りました。たくさんコミュニケーションを取りましたが、結局複雑なことを考える必要はありませんでした。何をすべきかわかっていたので、最後まで全力で走りました。 Frank は真の紳士で、このリーダージャージの半分は彼のものです。正直言って、彼には世界中のすべての賛辞を言っても足りません。チームとして今を楽しむつもりです。私たちにとってレースの最高のスタートです」

Van den Broek 選手は以下のように語りました。
「アメイジング。言葉がありません。開幕週にレースの動きに参加しようという作戦でした。私は逃げのグループに入り、最初から順調でした。Romain(Bardet 選手)がそのグループにアタックをかけてきて、私は彼の力になることができました。最後の登りでは限界に達していたので、彼がペースをキープしてくれていたので回復できました。その後、平坦な道で先頭交代を何度かしましたが、向かい風でとても大変でした。最後の直線はとても長く感じました。集団が見えたので、頭を下げて脚から最後のエネルギーを絞り出すだけでした。今は実感が有りませんが数時間後には何が起こったのか理解が追い付くかもしれません」


Team dsm-firmenich PostNL の Matt Winston 監督は以下のように語りました。
「レースにいい形で臨んで、この開幕週末を狙うと決めていました。私たちは逃げ集団で積極的に動き、選手たちは何も見逃さないように本当によくやってくれました。 Frank がその日の決定的な逃げ集団に入り、私たちにとっては完璧なシナリオで、レースの動きに参加することができました。私たちは Romain と話し、ジャンプする良いチャンスだと見て、彼はまさにそれをやりました。そこから Frank と Romain は一緒に全力を尽くしました。タイム差は徐々に縮まってきていたため、逃げ切れるのか捕まるのか、そんなタイミングは常にありましたが、最終的にはなんとかやり遂げることができました。ツールの夢のようなスタートです」

STAGE
1    BARDET Romain    Team dsm-firmenich PostNL    5:07:22    -
2    VAN DEN BROEK Frank    Team dsm-firmenich PostNL    ,,    -
3    VAN AERT Wout    Team Visma | Lease a Bike    0:05    -

29    ONLEY Oscar    Team dsm-firmenich PostNL    ,,    -
38    BARGUIL Warren    Team dsm-firmenich PostNL    ,,    -
100    EEKHOFF Nils    Team dsm-firmenich PostNL    29:14    -
103    DEGENKOLB John    Team dsm-firmenich PostNL    ,,    -
172    WELTEN Bram    Team dsm-firmenich PostNL    39:12    -
175    JAKOBSEN Fabio    Team dsm-firmenich PostNL    ,,    -


POINTS CLASSIFICATION
1    VAN DEN BROEK Frank    Team dsm-firmenich PostNL    33
2    BARDET Romain    Team dsm-firmenich PostNL    30
3    VAN AERT Wout    Team Visma | Lease a Bike    22


YOUTH CLASSIFICATION
1    VAN DEN BROEK Frank    Team dsm-firmenich PostNL    5:07:16
2    VAN GILS Maxim    Lotto Dstny    0:11
3    EVENEPOEL Remco    Soudal Quick-Step    ,,
9    ONLEY Oscar    Team dsm-firmenich PostNL    ,,


TEAMS CLASSIFICATION
1    Team dsm-firmenich PostNL        15:22:11
2    Team Visma | Lease a Bike        0:10
3    INEOS Grenadiers        ,,
4    Soudal Quick-Step        ,,
5    Lidl - Trek        ,,
6    Red Bull – BORA – hansgrohe        ,,
7    EF Education - EasyPost        ,,
8    Movistar Team        ,,
9    Bahrain - Victorious        ,,
10    UAE Team Emirates        ,,



6/30 第2ステージは前日よりもコースの難易度は下がり、4級、3級の上りが続く199.2kmの丘陵コース。後半に最大勾配は20%を含む San Luca の1.9km上りを含む周回コースを2回走り、下ってゴールするレイアウト。

初日にステージ優勝し、リーダージャージを獲得した Romain Bardet 選手。ヤングライダー賞とスプリント賞を獲得し、スプリント賞のグリーンジャージを着用した Van den Broek 選手。他のメンバーもチーム賞首位の証、黄色いヘルメットをかぶって出走。レースリーダーの John Degenkolb 選手は自身のフェイスブックにレース前、チームバス内で仲の良い様子を投稿しました。


レースがスタートすると山岳賞ジャージの UNO-X MOBILITY チーム Jonas Abrahamsen 選手を含む11名の逃げグループが出来ました。Team dsm-firmenich PostNL も Bram Welten 選手がこの集団に入ります。

リーダージャージの Romain Bardet 選手は多くの有力選手と一緒にメイン集団で走り、チームでメイン集団の先頭に立ちコントロールします。
逃げ集団は最大10分近いリードを得ますが、11名の中で一番タイム差の少ない選手でも第1ステージで15分以上の遅れており、総合成績には影響が有りませんでした。その為、Bram Welten 選手はこの集団の抑え役より、上りで遅れるであろうスプリントエースの Fabio Jakobsen 選手のサポートを優先し、メイン集団に戻りました。

レースは酷暑の中進み、逃げグループ、メイン集団のどちらも徐々に人数を減らしていきます。
勝負どころの San Luca の上りでメイン集団もペースアップ、1回目は Romain Bardet 選手もついて行きますが、2回目でジロデイタリアを制した Tadej POGAČAR 選手がアタックし、ディフェンディングチャンピオンの Jonas Vingegaard 選手だけがこの動きに反応することが出来ました。
少し離れて Richard Carapaz 選手と Remco Evenepoel 選手がその後を追います。

ゴールは逃げグループの Arkéa B&B Hotels のフランス人、Kévin Vauquelin 選手が取り、9位までを逃げた選手たちが取りました。
Richard Carapaz 選手が10位、Remco Evenepoel 選手が12位、Jonas Vingegaard 選手が13位、Tadej POGAČAR 選手が14位に入ります。
4名が同タイムで総合成績で並び、首位は2ステージの順位合計の少ないTadej POGAČAR 選手になりました。
Romain Bardet 選手はそこから21秒遅れの22位でゴールし、総合成績は6秒差の5位になりました。
Bram Welten 選手はスプリントエースの Fabio Jakobsen 選手と Nils Eekhoff 選手をアシストし先頭から24分遅れの制限時間内で無事ゴール。
スプリンターたちを翌日以降のレースにつなげました。



Romain Bardet 選手はレース後以下のように語りました。
「黄色のリーダージャージを着て走れたことは本当に特別な経験でした。今日のゴールラインでは結果的にほんの数秒の差だったのでジャージを失ったことは少し残念ですが全力を尽くしましたし、チームは一日中、私をサポートしてくれました。今日の働きには満足していますし、感謝しています。また、フランス人による2つの勝利でツールをスタートできたことは素晴らしいです。チームとしてまだまだ戦えることがたくさんあるので、次のステージでも頑張り続け、次のチャンスを探します」


Team dsm-firmenich PostNL の Matt Winston 監督は以下のように語りました。
「今日のチームの走りを誇りに思います。選手たちは終始鋭く、賢く、的確な判断を下し、リーダージャージをキープする最高のサポートを与えてくれました。しかし最後の San Luca の上りでアタックがかかったとき、それについて行くことは出来ず、最後は Roman のジャージを失ってしまいました。でも恥じることはありません。チームとしては素晴らしいツールのスタートでしたが、今は気持ちをリセットして明日に臨みたいと思います

STAGE
11    VAUQUELIN Kévin    Arkéa - B&B Hotels    4:43:42    -
2    ABRAHAMSEN Jonas    Uno-X Mobility    0:36    -
3    PACHER Quentin    Groupama - FDJ    0:49    -

22    BARDET Romain    Team dsm-firmenich PostNL    2:42    -
47    ONLEY Oscar    Team dsm-firmenich PostNL    4:52    -
51    BARGUIL Warren    Team dsm-firmenich PostNL    ,,    -
72    VAN DEN BROEK Frank    Team dsm-firmenich PostNL    11:08    -
159    DEGENKOLB John    Team dsm-firmenich PostNL    20:23    -
171    WELTEN Bram    Team dsm-firmenich PostNL    24:35    -
172    JAKOBSEN Fabio    Team dsm-firmenich PostNL    ,,    -
175    EEKHOFF Nils    Team dsm-firmenich PostNL    ,,    -



GENERAL CLASSIFICATION
1    POGAČAR Tadej    UAE Team Emirates    9:53:30
2    EVENEPOEL Remco    Soudal Quick-Step    ,,
3    VINGEGAARD Jonas    Team Visma | Lease a Bike    ,,

5    BARDET Romain    Team dsm-firmenich PostNL    0:06
34    ONLEY Oscar    Team dsm-firmenich PostNL    2:31
37    BARGUIL Warren    Team dsm-firmenich PostNL    ,,
46    VAN DEN BROEK Frank    Team dsm-firmenich PostNL    8:36
138    DEGENKOLB John    Team dsm-firmenich PostNL    47:11
165    EEKHOFF Nils    Team dsm-firmenich PostNL    51:23
172    WELTEN Bram    Team dsm-firmenich PostNL    1:01:21
174    JAKOBSEN Fabio    Team dsm-firmenich PostNL    ,,



今年のツールはパリオリンピック開催の為、1週間早い 6/29 からスタートする21ステージ。
第1ステージを制し、Romain Bardet 選手が最高のスタートを切りました。
第2ステージでタイム差が付き、リーダージャージは失ってしまいましたがこれからはステージ優勝を狙い、熱い走りを見せてくれるでしょう。これからも SCOTT BIKE ライダーの活躍にご期待ください。

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