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Vuelta a España 第1週目が終わりました。



dsm-firmenich がグランツール、VUELTA A ESPAÑA に出場し、初日のチームタイムトライアルで優勝しました。
先頭でゴールしたLORENZO MILESI 選手が総合1位になり、2日目は赤いリーダージャージを着用し
レースを走りましたが、悪天候による落車、タイム計測地点のルール変更もあり、残念ながら総合首位の座は明け渡してしまいました。今回は8/27 第2ステージから、9/3 第9ステージをリポートします。


VUELTA A ESPAÑA は5月の  Giro d'Italia 、7月の Le Tour de France と合わせて、3大ツールと呼ばれるスペインで開催されるステージレースです。
2023年大会は8/26スタートの全21ステージ、総走行距離は3153.8km、その中に9ステージも上りゴールが含まれるコース設定です。
Photo BY Team dsm-firmenich HP

dsm-firmenich の出場選手は
161 Romain BARDET (FRA)
162 Romain COMBAUD (FRA)
163 Alberto DAINESE (ITA)
164 Sean FLYNN (GBR)
165 Christopher HAMILTON (AUS)
166 Lorenzo MILESI (ITA)
167 Edgar Oscar ONLEY (GBR)
168 David Max POOLE(GBR)

エースナンバーはフランス人クライマーの Romain BARDET 選手。
エーススプリンターは Alberto DAINESE 選手。

第1ステージ、チームタイムトライアルで優勝し、世界選手権U23個人タイムトライアル優勝の Lorenzo MILESI 選手が先頭でゴールしたため、総合首位になり、リーダージャージを着て第2ステージをスタートしました。
他にも緑のポイント賞ジャージは Romain BARDET 選手。
白いヤングライダージャージは Lorenzo MILESI 選手が対象で、繰り下げで David Max POOLE 選手。
白地に青い水玉模様の山岳ジャージは Sean FLYNN 選手がそれぞれ着用しました。


Photo BY 大会公式 HP

8/27 第2ステージは Team dsm-firmenich にとって、LORENZO MILESI 選手の総合首位を守るステージとして始まりました。
スタート前にゴール地点の豪雨予想のため、総合タイムの計測地点がゴール手前9km地点で行われること、ゴールのボーナスタイムは通常通りゴール地点で与えられるというルール変更が通達されました。この変更は逃げてステージ優勝を狙う選手にとって有利なもので、逃げ切りを阻止したい集団コントロールをする Team dsm-firmenich にとっては不利になる変更でした。この日のコースは序盤に2級、3級の山岳が続き、ゴール前に3級山岳、下ってゴールと言う181kmで逃げ切り勝利も小集団スプリントもありうるコース設定です。

序盤に5名の逃げグループが出来、 Team dsm-firmenich や総合系チームが集団をコントロールして追いかける展開になります。
この日も雨が降り、集団内の落車が続きます 。Team dsm-firmenich でも Oscar Onley選手、Alberto Dainese 選手、総合首位の Lorenzo Milesi 選手も落車してしまい、Oscar Onley選手は鎖骨を骨折、残念ながらリタイアになってしまいました。

逃げグループを集団が追いかけていた残り35kmを超えたあたりで有力選手の Team Jumbo-Visma、Primož ROGLIČ 選手が落車、集団はこの復帰を待つためペースダウンすることになり、復帰後には更なるペースアップで逃げグループを追いかけました。このハイペースに LORENZO MILESI 選手が付いていけず、総合1位を守ることはできませんでした。
総合成績の計測場所、残り9km地点をトップで通過した逃げグループの EF Education-EasyPost チーム、Andrea Piccolo 選手が総合首位に。最後の3級山岳頂上手前からアタックした Lotto Dstny チームの Andreas Kron 選手がステージ優勝をあげました。



チームのエース、ROMAIN BARDET 選手は以下のように語りました。
「今日は本当にハードなレースで、Oscar(Onley選手)を落車で失ったのは本当に不運でした」
「残り9kmで総合成績を逆転され、総合成績とステージ順位の2つの目標が1つだけになってしまいました。チームは赤いリーダージャージを守り、その上でステージリザルトも狙いたかった。再度チームの力を合わせて戦います、まだまだチャンスはあります」

Team dsm-firmenich の Phil West 監督は以下のようにコメントしました。
「チャレンジングな1日でした。天候のせいで、誰にとっても難しいステージになりました。目標はステージの結果を出すことと、総合上位につける若い選手たちのために良い走りをすることでした。このステージでは他の多くの選手と同じようにパンクや転倒に見舞われました。リーダージャージをもつチームとしての責任も真剣に受け止め、自分たちに任されたときはレースをコントロールし、ステージを戦い抜こうとしました。最終的には、ROMAIN (BARDET 選手)と  Max(POOLE 選手)が10位以内に入ることができました。今日は本当に素晴らしいチームワークを発揮することができました」

Vuelta a España 2st
1    KRON Andreas    Lotto Dstny    4:10:25 
2    GROVES Kaden    Alpecin-Deceuninck    ,, 
3    VENDRAME Andrea    AG2R Citroën Team    ,, 

11    BARDET Romain    Team dsm - firmenich    ,,  
15    POOLE Max    Team dsm - firmenich    ,,  
112    FLYNN Sean    Team dsm - firmenich    ,, 
140    DAINESE Alberto    Team dsm - firmenich    ,, 
145    COMBAUD Romain    Team dsm - firmenich    2:58 
157    HAMILTON Chris    Team dsm - firmenich    ,, 
170    MILESI Lorenzo    Team dsm - firmenich    7:02 
DNF    ONLEY Oscar    Team dsm - firmenich
  
Photo BY 大会公式 HP

8/29 第4ステージは 平坦ステージ。スプリントエースの Alberto DAINESE 選手を勝たせるために Team dsm-firmenich がチーム全員で走るステージでした。

レースは序盤に3名の逃げグループが出来、それをスプリント勝負に持ち込みたいTeam dsm-firmenich と Alpecin-Deceuninck チームがメイン集団の先頭に立ち追う展開に。
この日は天候は回復したものの、カーブやランナバウトで集団が変形する際に落車が続いてしまいました。
残り18kmで逃げグループを吸収し、狙い通り勝負はゴールスプリントへ。
スプリントの発射台になるべくSean Flynn 選手が前方に付けましたが、Alberto Dainese 選手とは合流できず、Sean Flynn 選手が9位でゴールしました。


Sean Flynn 選手は以下のように語りました。
「ブレークをコントロールしやすくするために、スタートではいい仕事ができた。Romain(Combaud 選手)と Chris(Hamilton 選手)は、Alberto (Dainese 選手)とのスプリントを可能にするために、1日を通して本当にいい仕事をしてくれました。登りは良いポジションで通過できたし、無駄なエネルギーも使いませんでした。ゴール前ではベストを尽くしたけど、クラッシュやラウンドアバウト、テクニカルコーナーが多くて混乱していました。Alberto が良いポジションにつけるようにベストを尽くしましたが、残念ながら完璧なポジションに付くことはできませんでした


Team dsm-firmenich の Phil West 監督は以下のようにコメントしました。
「スタート直後の逃げグループは狙い通りで、Alpecin-Deceuninck と一緒に追いかけました。Romain(Combaud 選手)は150km近くも追走のメイン集団をけん引してくれて、本当にいい仕事をしてくれました。最後の上りはAlberto (Dainese 選手)と一緒に本当にいい形で上れました。最終的には集団はかなり混沌としていて、チームとして今日やりたかったことをやるには十分ではありませんでした。しかし、この経験を糧に次のステージに向けてチームは走り続けます」

Vuelta a España 4st
1    GROVES Kaden    Alpecin-Deceuninck    4:05:41   
2    MOLANO Juan Sebastián    UAE Team Emirates    ,,   
3    THEUNS Edward    Lidl - Trek    ,,   

9    FLYNN Sean    Team dsm - firmenich    ,,  
25    BARDET Romain    Team dsm - firmenich    ,,   
63    DAINESE Alberto    Team dsm - firmenich    0:24  
72    MILESI Lorenzo    Team dsm - firmenich    0:33  
80    POOLE Max    Team dsm - firmenich    ,,  
132    COMBAUD Romain    Team dsm - firmenich    2:19  
150    HAMILTON Chris    Team dsm - firmenich    3:02   
Photo BY 大会公式 HP

8/31 第6ステージは1級山岳上りゴールステージ。
最後の上りで総合成績にかかわるような勝負が予想されたステージでしたが、序盤から40名以上の大きな逃げグループが出来てしまう予想外の展開になりました。
この逃げグループにTeam dsm-firmenich からは総合エースの Romain Bardet 選手、Max Poole 選手の2名が入りました。

有力選手を多く含む人数の多い逃げグループを追うため、メイン集団の追走も高速化。
集団内での落車が起き、Team dsm-firmenich の Lorenzo Milesi 選手と Romain Combaud 選手が巻き込まれてしまいました。Lorenzo Milesi 選手は復帰できず、2日目にリーダージャージを着用した選手がチーム2人目のリタイアとなってしまいました。

逃げ集団に選手を複数送り込んでいるチームでは集団内でエースとアシストの関係が成立し、エースを温存したままアシスト選手がけん引してレースが進みます。
1級山岳の上り開始の時点で3分以上のタイム差があり、集団の逃げ切りは確定的に。
GROUPAMA - FDJ チームの Michael Storer 選手(2021年は DSM 所属、1級上りゴールの第7ステージで優勝)が強力にペースを上げ、逃げ集団の人数を絞ります。

残り4km地点で MOVISTAR チームの Einer Augusto Rubio Reyes 選手がアタック。これに反応したのが Romain Bardet 選手とチーム Jumbo-Visma の Sepp Kuss 選手、ヤングライダージャージ着用の Groupama - FDJ チームの Lenny Martinez 選手の3名。
Sepp Kuss 選手が抜け出してステージ優勝を飾り、総合首位に立ちました。 Romain Bardet 選手は31秒差のステージ3位になりました。


Romain Bardet 選手は以下のように語りました。
「今日は大きな1日でした。今日は逃げグループに入るまでが大変でしたが、最後の勝負に絡むことが出来ました。Max(Poole 選手)と一緒に先頭を走れたのは本当に良い展開でした。ステージのフィーリングは良かったけど、最後は強い選手に負けてしまいました。後悔はしていませんが、次のチャンスを楽しみにしています

Team dsm-firmenich の Phil West 監督は以下のようにコメントしました。
「混戦の一日でした。選手たちの走りにはとても満足しています。
Romain(Bardet 選手)、Max(Poole 選手)、Chris(Hamilton 選手 )、Lorenzo(Milesi 選手)のような長い距離を戦い抜くことのできる選手たちと一緒に、逃げグループに参加することを目指してスタートしました。逃げグループが形成されるまでには長い時間がかかり、多くの動きが繰り返されました。残念なことに、Lorenzo と Romain(Combaud 選手)が巻き込まれるクラッシュがあり、Lorenzo はレースを棄権しなければならなくなりました。
レースでは、Romain と Maxが大きな逃げに乗り、最後まで走りました。序盤で集団が分断されたとき、ふたりのどちらかが常に前のグループにいるようにできていたのが素晴らしいこと。最終的に彼らは優勝争いに加わることができ、Romain が3位に入りました。もちろん、Lorenzo を失ったのは残念ですが、チームは良い形で続いているので、明日もまた頑張るつもりです」


Vuelta a España 6st
1    KUSS Sepp    Jumbo-Visma    4:27:29   
2    MARTINEZ Lenny    Groupama - FDJ    0:26   
3    BARDET Romain    Team dsm - firmenich    0:31  

31    POOLE Max    Team dsm - firmenich    5:09   
75    HAMILTON Chris    Team dsm - firmenich    18:06  
97    FLYNN Sean    Team dsm - firmenich    24:46  
114    COMBAUD Romain    Team dsm - firmenich    26:27  
165    DAINESE Alberto    Team dsm - firmenich    33:17  
DNF    MILESI Lorenzo    Team dsm - firmenich       
Photo BY 大会公式 HP

9/3 第9ステージは2級山岳上りゴールステージ。
翌日は今大会最初の休息日、翌々日火曜日には個人タイムトライアルが控える中の上りゴールステージです。

スタート直後から強い横風が吹きつけ、集団前方は総合上位勢とそのアシスト選手が固まり、集団から遅れてしまうことのないように走ります。
横風分断を狙った最初の1時間は平均時速50km以上のハイペースで展開しました。
平坦が終わり1級山岳に入ると集団は1つに戻ります。そこから6名の逃げグループが形成され、Team dsm-firmenich の Chris Hamilton 選手が合流、さらに EF EDUCATION EASYPOST チームの Jonathan Caicedo 選手が下りで追いつき8名のグループになります。
このグループは総合上位を含まなかった為、メイン集団に容認され、2級山岳に5分近いタイム差で到着します。
残り距離が20kmほどになるころ、主催者からゴール地点の路面状況が悪いとして、総合タイムの計測地点を2.6km短縮すると通知が出されました。

8名の先頭集団で Chris Hamilton 選手は果敢に走りますが、残り5kmで BORA hansgrohe チームの Lennard KÄMNA 選手が掛けた強烈なアタックに反応できず、
それについて行けた Team Jayco AlUla の Matteo Sobrero 選手と共に抜け出されてしまいます。
Chris Hamilton 選手がその後パンクで遅れたこともあり、Lennard KÄMNA 選手と Matteo Sobrero 選手がそのまま逃げ切り、Chris Hamilton 選手はステージ3位になりました。


Chris Hamilton 選手は以下のように語りました。
「かなりクレイジーなスタートの後、逃げのグループに入ることができて嬉しかったです」
「8人でのローテーションがうまく機能して、最後の上りで勝負が出来ました。3位にはかなり満足しています。もちろん、優勝できればうれしいけれど、この結果には満足しています。まだ2週間レースがあるのでまた頑張ります

Team dsm-firmenich の Phil West 監督は以下のようにコメントしました。
「今日のステージはとても興味深い、スタート時に横風の脅威があったため、メイン集団は最大限のストレスと緊張感に包まれていました。Team JUMBO-VISMA はプレッシャーをかけ、他のチームに多くの労力を強いたが、最終的に集団は1つに戻りました。最初の上りでChris(Hamilton 選手 )は集団からジャンプするタイミングを見つけ、素晴らしい走りで逃げグループに入りました。この集団は大きなリードを築きましたが、総合上位チームが再びペースを上げたため、一時は捕まえられてしまうのかと思われました」
「Chris はアグレッシブに、しかし無駄のない走りを見せてくれました。不運にも残り3.5kmでパンクしてしまい、車から助けなければなりませんでしたが、彼は3位でフィニッシュしてくれました」
「明日の休養日を楽しみにしているし、そのあとまたチームは頑張るつもりです」



Vuelta a España 9st
1    KÄMNA Lennard    BORA - hansgrohe    4:28:59  
2    SOBRERO Matteo    Team Jayco AlUla    0:13  
3    HAMILTON Chris    Team dsm - firmenich    1:12  

45    BARDET Romain    Team dsm - firmenich    7:05  
106    DAINESE Alberto    Team dsm - firmenich    14:51  
107    COMBAUD Romain    Team dsm - firmenich    15:39  
112    POOLE Max    Team dsm - firmenich    ,,  
122    FLYNN Sean    Team dsm - firmenich    16:46   
Photo BY Team DSM HP

今年の VUELTA A ESPAÑA は例年以上に有力な選手が揃い、
厳しいコースで熱い戦いが続いています。
これからも dsm-firmenich と SCOTT Bike の活躍にご期待ください。
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