全日本選手権ロードレース・タイムトライアル
全日本自転車競技選手権大会ロードレース大会

National Championship
2015.6.21(TT), 2015.6.28(RR)
栃木県大田原市(TT)、栃木県那須郡那須町(RR)



【スケジュール】
6 月21 日 個人タイムトライアル(12.4km×3 周)
6 月28 日 個人ロード・レース(16km×15 周)

【出場選手】
個人タイムトライアル
綾部 勇成・小森 亮平

個人ロードレース
綾部 勇成・中島 康晴・福田 真平・伊藤 雅和
小森 亮平・平塚 吉光・早川 朋宏・中根 英登

【結果】
個人タイムトライアル
綾部 勇成 22 位 52 分52 秒10 (+2 分57 秒68)
小森 亮平 24 位 53 分20 秒63 (+3 分26 秒20)

個人ロードレース
中島 康晴 8 位 +8 秒
早川 朋宏 15 位 +9 秒
福田 真平 23 位 +26 秒
伊藤 雅和 27 位 +58 秒
DNF 綾部 勇成・小森 亮平・平塚 吉光・中根 英登



AISAN 全日本選手権AISAN 全日本選手権

【レポート】



個人タイムトライアル



今年の個人タイムトライアルは綾部勇成と小森亮平の2 名が出場しました。コースは栃木県大田原市の一周12.4km のコースを3 周する37.2km のコースで、スタート・ゴール地点が丘になっていて、そこに向かう上りのペース配分が勝敗を決めた。2 組に分かれたスタートとなり、小森が1 組目、綾部が2 組目でのスタートとなった。当日は天候が悪く、朝から曇りでいつ雨が降ってもおかしくない天気だったが、1 組目の段階では雨は降らず、2 組目のスタートとともに雨が降り始めた。



AISAN 全日本選手権AISAN 全日本選手権

1 走目に走った小森、2 走目に走った綾部もタイムが振るわず、よい結果を出すことができなかった。近年、UCI アジアツアーではタイムトライアルバイクを使用したタイムトライアルがなく、専用のバイクに乗るのも1 年に1 度か2 度になってしまっていた。さらに長距離、または上りのレースが多いため、全体的に平坦のスピードのレベルが落ちてきている印象を受けた。しかしながら本場ヨーロッパではどんどんとレースの平均スピードが上がってきている。この能力を鍛えなければさらに上のカテゴリーで走ることは難しいので、チームとしてもタイムトライアルバイクを使用したトレーニングを増やし、今後のレースに備えたいと思う。


個人ロードレース



個人ロードレースはタイムトライアルから場所を変え、栃木県の那須町で行われた。愛三工業レーシングチームはアップダウンのコースが得意な中島康晴をエースにレースを組み立てていく作戦をとった。また他のカテゴリーが集団でのゴールスプリントになる展開が多かったこともあり、福田真平がゴールを狙うことも視野に入れていました。事前の情報として、集団内にいるのと前を引いているのではキツさが全く違うこと、現在日本にはピュアスプリンターが多く存在しないこと、愛三が最多エントリーの8 人で出場していることなども狙っていくメンバー構成の考慮に入れました。



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レースが始まって、最初に大きな動きがあったときにはすでに各チームのエース級が動いてきていて、各チームがこの逃げを逃すのが早すぎるのではないかという懸念があった。例えば、ヨーロッパのレースの展開だと、ステージレースのように、強いチームがあまり強力ではない逃げを逃し、各チームでアシストを出し合って逃げを吸収して追いつき、そこからエース級の選手たちの戦いが行われる展開が多い。しかし今回は各チームの人数が少ないので、大きな逃げを逃してしまうと後々牽引ができないチームが多い印象。このまま後半までチームでの牽引が始まらないのであれば、このままレースが終わる可能性が非常に高い。愛三からは、この逃げに調子の上がっている小森と平塚がオーダー通りに入っていたのですが、他チームのエース達と優勝を争うとなると、正直分が悪い。ここでエースかサブエースが入っていたら、このまま逃していたと思うが、全日本は距離も長く、最終的には人数よりも個の力。渋々2 人を後ろに下げて、集団を振り出しに戻してもらう為に集団を引いてもらう。



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自分も最初は、先頭集団はあまり逃げる気がないのではないかと考えていたが、なかなか詰まらない差を考えると逃げ切りも視野に入れていた様子。そうするとこのコースの特性から、引いている方が集団にいるよりも力を使う。集団が逃げに追いつくに連れて、集団内にいる選手の方が有利になってくるはず。アシストの仕事により展開をひっくり返していく。綾部、小森、平塚、調子の悪かった中根を中心にローテーションをする。


集団に追いついたあとは、ゴールスプリントにしないために自分たちでも攻撃的な展開にしていくのみだが、攻撃的に展開をしていく選手たちが逃げで力を使っていたとなれば、その後誰が破壊力のあるアタックをするのだろうか。いくら優勝候補だからといって、優勝を狙っているからには捕まった後ではゴールが近づいた勝負処まで休みたいのが心情。案の定、その後にあまり強力な先行グループは現れず、また女子レースとの交差のためのニュートラルもあり集団のリズムが狂っていく。その後も有力選手たちの激しい潰し合いが始まり、プロトンは徐々に焦りを見せ始め、この辺りからゴールスプリントを得意とする選手たち、そしてレース中に集団の中で身を潜めて走っていた選手たちへのチャンスが増えていったように思う。



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ゴールまでのアタックでは逃げて勝ちたい選手がまとまって逃げることができない。ラスト1 周のTeam UKYO の土井選手のアタックでスプリントにしたくない選手たちが引き摺り出され、11 名の逃げが決まる。優勝した窪木選手はそこに単独で追いつき、さらにそこからアタックをかける。誰もつけないことから明らかに残っている力が違った。ゴールスプリント狙いで集団に待機していた選手は出遅れ、逃げの選手たちは手が出なくなる。愛三も例外ではなく、11 名の逃げには早川が、そしてその後ろの集団には中島が控えていたが、そこから優勝を狙うには先頭が遠すぎた。



結果、窪木選手、同じくTem UKYO の畑中選手、そして宇都宮ブリッツェンの増田選手が抜け出して表彰台。後続のスプリントは8 名を吸収して中島が後続の5 番手でゴールして7 秒差の8 位。また終始アシストに徹した早川がトップから9 秒差の15 位のフィニッシュとなった。最終的に20 名強の選手が先頭集団でのフィニッシュになりました。



前半での出遅れを強力なアシスト陣でレースを振り出しに戻し、悪くない状態で後半に向かうことができたが、他チームとの思惑もなかなかうまく噛み合わず、最後は苦しい展開になってしまった。最後は単純に力の差と絶対的な自信の差が出てしまったようにも思う。レースでは、レース中のちょっとした躊躇や勘違い、思い違いでもその後の結果を大きく左右します。全日本選手権は以前からも、大人数よりも少数精鋭の方が迷いがなく良い結果でている傾向があります。今回も自分たちでレースを組み立てながら結果を出すことができませんでしたが、世界選手権におけるイタリアやフランスも毎回結果を出しているわけではありません。そのくらい難しいことを成し遂げられるチームを作っていけたらと思います。


まだシーズンは終わったわけではないので、後半戦に向けて準備していきたいと思います。



愛三工業レーシングチーム
チームマネージャー
別府 匠